チュ・グォンはKBO通算105ホールドを記録し、2019年から2021年まで3年連続20ホールド、特に2020年は31ホールドでホールド王に輝いたKBOを代表するリリーフだ。
中国で生まれたチュ・グォンは10歳のときに韓国に移住し、帰化した。今は完全な韓国国籍だ。
ただ、チュ・グォンは2013年WBCに続き、今回の2023年大会でも中国代表のユニホームを着ている。中国陣の父親と韓国人の母親を持つチュ・グォンは、WBCの国籍選択の規定上、中国代表として大会に出場することができ、今大会も中国野球協会の切実な要請で代表に合流することになった。
ところが同日、中国代表として消防士の役割を果たすことができなかった。
チュ・グォンは登板するやいなや最初の打者マーティン・ムジクに初球を痛打され、逆転の3ラン本塁打を浴びた。スコアも5-7と逆転され、ブロンセーブを犯した。試合は一気にひっくり返ってしまった。
これに止まらず、ペトル・ジマに右中間二塁打、フィリップ・スモラに右前適時打を許し、追加で失点。5-8まで点差が広がった。
チュ・グォンが1点差を守り切ることができていれば、中国のWBC史上3度目となる勝利が完成したはずだった。
しかし、欧州予選を突破したチェコの長打力がチュ・グォンを飲み込んだ。結局、中国は9回裏で点差を縮めることができず5-8で敗れた。中国は2敗を喫し、早くも1次ラウンドが確実となった。
チェコ選手は大半が仕事を掛け持ちしており、今大会にも職場に休暇を取って参加した選手がほとんど。プロとして野球を本業とするチュ・グォンは茫然自失の表情を浮かべるしかなかった。
チェコ球界史上最高の日、チュ・グォンが犠牲になった。
(記事提供=OSEN)