藤浪は同日、本拠地オークランド・コロシアムで行われたニューヨーク・メッツ戦で先発登板し、6回を投げて4被安打(2被本塁打)、2四球、1死球、5奪三振の3失点で敗戦投手となった。
MLBデビュー戦となった2日のロサンゼルス・エンゼルス戦では2.1回8被安打、3四球、4奪三振の8失点と厳しい歓迎を受けた藤浪は、9日のタンパベイ・レイズ戦でも4.1回3被安打、4四球、1死球、1奪三振の5失点と振るわなかった。
ただ、今回のメッツ戦も敗れたとはいえ、初めてクオリティスタート(先発6イニング以上を投げ、3自責点以下)に成功し可能性を示した。シーズン防御率も17.55から11.37に引き下げた。
藤浪は初回、フランシスコ・リンドアに二塁打を許すも後続のピート・アロンソを空振り三振で仕留めると、続く2~3回も無失点を続けた。4回にアロンソのソロ本塁打で失点したが、5~6回は四球と死球を1回ずつ与えたのみで失点はゼロに抑えた。
2-1でアスレチックスの1点リードのまま迎えた7回にも藤浪はマウンドに上がった。しかし、先頭打者のマーク・キャンハに同点ソロ本塁打を許し、ダニエル・ボーゲルバックに四球を与えたのを最後に降板した。
その後、2番手で登板したトレバー・メイがブランドン・ニモの適時二塁打でもう1失点を喫した。結局、アスレチックスは2-3で敗れ、藤浪は再び敗戦投手となった。
総投球数は92球で、ストライク53球、ボール39球。最速98.1マイル(約157.9km)、平均96.4km(約155.1km)で、ストレート(50球)を中心にスプリット(28球)、スライダー(11球)、スイーパー(3球)と投げ分けた。
被本塁打2本が残念だが、デビュー3戦目にして初めて5回以上を投げ、制球も安定した姿を見せた。結果は残念だが、希望が感じられた投球だった。アスレチックス率いるマーク・コッツェイ監督は「藤浪がこの投球をできるならば、彼はとても良い投手になる」と期待を寄せた。
高校時代は同学年の大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)のライバルとして有名だった藤浪は、阪神タイガースに10年在籍し、通算189試合(994.1回)で57勝54敗11ホールド、防御率3.41、1011奪三振を記録した。
プロ入り直後から3年連続で10勝以上を挙げ、十分なポテンシャルを見せつけたが、2017年頃から激しい制球乱調に苦しみ、期待ほど成長することができなかった。
それでも、2020年に最速162kmの剛速球を記録するなどし、昨季終了後にポスティングシステムでメジャーに挑戦。アスレチックスと1年325万ドルで契約した。
(記事提供=OSEN)