日本シリーズ第2戦でオリックス・バファローズを勝利に導いた宮城大弥に韓国メディアも注目している。
『OSEN』は10月31日、「“韓国で礼儀を学んだ”日本シリーズ勝利投手はあの瞬間をまだ忘れていなかった」と題し、宮城に言及した。
オリックスは10月28日に行われた日本シリーズ第1戦で、3年連続沢村賞に輝いた日本最高の投手・山本由伸が5.2回10被安打、1四球、7奪三振、7失点で崩れ、阪神タイガースに0-8衝撃の敗北を喫した。
しかし、翌29日の第2戦では前日と同じスコア8-0で雪辱し、シリーズを1勝1敗の振り出しに戻した。
第2戦のオリックス勝利の中心には、在籍4年目の左腕投手・宮城大弥がいた。
先発登板した宮城は6回まで104球を投げ、4被安打、1四球、5奪三振、無失点の好投で阪神の強打線を制した。
最速148kmのストレートと85kmのスローカーブで緩急を調節し、鋭いスライダーやフォークボールなど変化球も自由自在に駆使した。
ずば抜けたピッチングが際立った一方、思いやりある行動も目を引いた。
日本メディア『Full-Count』は30日、「大舞台でも見せる宮城の気遣い」として、イニング最後のアウトカウントを取った後、相手打者のバットを拾ってボールボーイに渡す行動に注目した。
シーズン中にもよく見られた光景だが、日本シリーズという大一番でも宮城の行動は変わらなかった。同メディアは宮城がスポーツマンシップを学んだきっかけとして、彼が18歳だった2019年に高校日本代表メンバーに選出され、韓国で行われたU-18ベースボールワールドカップのスーパーラウンド第2戦の韓国戦で登板した際の出来事を回想した。
宮城の記憶に鮮明に残っているその日とは、2019年9月6日、釜山機張郡(プサン・キジャングン)で行われたU-18野球ワールドカップ・スーパーラウンドの韓日戦だ。
当時、日本のリリーフ投手として出た宮城は、9回二死一塁の場面で韓国打者の頭にボールを当ててしまった。ボールが手からすっぽ抜け、打者のヘルメットに当たってしまったのだ。
打者は幸い、大事には至らず一塁に進塁。宮城が帽子を脱いで申し訳ない気持ちを示すと、打者もヘルメットを脱いで頭を下げ、謝罪を受け入れていた。
当時、宮城の死球を受けた韓国の打者が、現在キウム・ヒーローズで次世代の主力に浮上している外野手イ・ジュヒョンだ。
当時は韓日関係の悪化で緊張感が高まった時期だったが、宮城とイ・ジュヒョン、2人の韓日青少年選手の成熟したスポーツマンシップは深い響きを与えた。
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)でも、SNSを通じて「尊重(Respect)」という単語と共にこの場面を映像でアップし、話題を集めていた。
身長171cmと比較的小柄であるにもかかわらず、絶妙な緩急調節でタイミングを奪うのに長けた宮城は、2019年のドラフト1位でオリックスに入団した。
2021年に初のフルタイムシーズンを迎え、23試合(147回)13勝4敗、防御率2.51と活躍し、パ・リーグ新人王に輝いた。
昨年も24試合(148.1回)11勝8敗、防御率3.16と活躍し、WBC(ワールド·ベースボール·クラシック)の侍ジャパンにも抜擢された。
宮城の登板は1次ラウンド・チェコ戦のリリーフ登板(5回1失点)がすべてだったが、日本のWBC優勝に大きく貢献した。今季も勢いに乗り、22試合(146.2回)10勝4敗、防御率2.27で最高のシーズンを送った。
一方、宮城の死球を受けたイ・ジュヒョンは打撃の才能を認められ、2020年ドラフトの2次2ラウンド全体13位でLGツインズの指名を受けた。
プロ入り後すぐに軍服務を早く解決したものの、選手層が厚いLGでは一軍の機会をあまり与えられなかった。ほとんどの時間を二軍で過ごし、今年7月末にキウムにトレードされた後、本格的な一軍機会が与えられ潜在力が爆発した。
キウム移籍後、51試合で打率0.330(200打数66安打)、6本塁打、34打点、OPS(出塁率+長打率)0.911と活躍し、「第2のイ・ジョンフ」と期待感を大きく高めた。
もっとも、シーズン終盤に左太ももの筋肉を負傷し、11月に東京ドームで開催されるアジアプロ野球チャンピオンシップ(APBC)の韓国代表メンバー選出が不発に終わったのが残念だ。
(記事提供=OSEN)
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