村上春樹原作の映画にも出演、“クスリ漬け”韓国俳優が7度目の公判で語った反省の弁…

2024年07月25日 話題
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村上春樹の短編を原作とした韓国映画『バーニング 劇場版』にも出演したカリスマ俳優ユ・アインに対して、韓国検察は懲役4年、罰金200万ウォン(約22万円)を求刑した。

【写真】急増する韓国芸能人や財閥3世の「麻薬」…何が起こっているのか

ソウル中央地裁は7月24日午後、麻薬類管理に関する法律違反、大麻喫煙および教唆、証拠隠滅教唆などの疑いで起訴されたユ・アインの、7度目の公判を行った。

ユ・アインは2020年9月から2022年3月まで、医療用プロポフォール(麻酔薬)などを181回も自信に投与し、2021年5月から2022年8月までは44回にわたって他人名義で約1100錠の睡眠薬を違法に処方・購入した疑惑、そして共犯の知人4人とともに大麻を喫煙し、他人に喫煙を教唆した疑惑、証拠隠滅を教唆した疑惑などを受けている。

同日の公判では被告人尋問が省略され、検察側の書証調査のみが行われた。検察は書証調査で、ユ・アインが他の病院でプロポフォールなどを投与した事実を隠したまま、医師にプロポフォールを投与させ、他人名義でゾルピデム(睡眠導入剤)などを処方・購入したと主張した。

ユ・アイン
4月16日、4度目の公判で出廷するユ・アイン(写真提供=OSEN)

また、知人のユーチューバーA氏の証言をもとに、A氏が事件前まで麻薬類を使用した経験がないにもかかわらず、大麻喫煙を教唆・強要し、また別の知人B氏には携帯電話の電子情報を削除するようメッセージを送ったとして、証拠隠滅教唆の疑いがあることを強調したりもした。

これに関してユ・アインの弁護人は、「基本的に事実関係とは違わない」としながらも、「A氏の言葉が歪曲されたり、誇張されたり、事実と異なる部分がある。被告人はA氏と一緒に大麻を喫煙した事実については認めているが、国立科学捜査研究員の鑑定書だけで、被告人がA氏に大麻を渡して喫煙を教唆したという証拠になるとは認められない。被告人はそのような話をしたことがないと明確に申し上げる」と反論。

また、ユ・アインがB氏に証拠隠滅を教唆したということについても、やはり「B氏が削除したメッセージの内容を見ると、“本当にとてもストレス”という言葉と3枚の写真がある。これがどうやってB氏が刑事事件に対する証拠を隠滅したという証拠なのか、これだけでは分からない」と説明した。

続いて、検察はユ・アインに対して「被告人らは側近たちと捜査機関の取り締まりを避け、職業的な地位を利用して海外で麻薬を投与した。ユ・アインは韓国国内で有名な芸能人としての財力と有名税を利用して医師たちを騙し、5億ウォン(約5500万円)相当のお金で簡単に、常習的に医療用麻薬を投与したり他人に服用させた」とし、「ユ・アインは有名芸能人として映画俳優だけでなく、社会的イシューに所信のある発言で影響力を行使してきた。社会的な責任があるのに、むしろ社会的影響力で自身の罪を隠す違法行為をした。罪質が不良だ」と指摘した。

そして、「財力を利用して捜査機関の手が届かない海外で麻薬投与、医師を騙してプロポフォールを投与し、社会的影響力を利用して口止めを試み、共犯者に警察の調査に応じないようにして連絡を避けるようにした。目撃者を逃亡させ、脅迫するなど、刑事司法システムを軽視した」として、懲役4年、罰金200万ウォンを宣告。併せて追徴金154万ウォン(約17万円)を命令してくれと要請した。

また、麻薬類管理に関する法律違反(大麻)、特定犯罪加重処罰法上の報復脅迫、犯人逃避などの疑いが持たれている美術作家チェ氏に対しても、懲役4年を求刑している。

一方、ユ・アインの弁護人は最終弁論で、「被告人は、プロポフォールなどの投与は全て認めている。ただし、施術過程での睡眠麻酔剤の量や種類は、医師の独自かつ専門的な判断の下で行うもので、被告人は関与していなかった」として、「被告人は以前からうつ病、不安障害などの精神疾患を患っており、職業の特性上、不規則な生活パターンで深刻な睡眠障害を患い、精神健康医学科の主治医も初来院時に入院を勧めたほどだったと証言した。2020年からは数日間、一睡もできずに日常生活が難しいほどで、睡眠麻酔を伴う施術中にやっと眠ることができた。ここで睡眠麻酔剤に対する依存性が発現したものと判断される。その過程で、一度も医師の施術を受けずに睡眠麻酔剤を投与した事実はなく、複数の施術と並行して行われた。被告人に対する睡眠麻酔剤の投与は、医師の必要性について専門的に判断されたことを考慮してほしい」と強調した。

ユ・アイン
4月16日、4度目の公判で出廷するユ・アイン(写真提供=OSEN)

ほかにも、「被告人はこの事件後、精神健康医学科に睡眠薬依存を明かし、多様な治療を受けている。専門医は診療と治療計画に同意して実践しており、現在の状態に照らしてみると、今後、オム・ホンシク(ユ・アインの本名)に依存性などが再発する可能性は低いと反論されると証言した。たゆまぬ努力で現在の睡眠麻酔剤依存から抜け出し、今後、再び同じことが発生しないように着実に再発防止のための診療計画を立てて履行していく計画だ。被告人は睡眠麻酔剤に依存したことを後悔している。大衆の関心を集める人物として模範を示せず社会的物議を醸したこと、関係者とファンに失望を与えたことを後悔しながら、日々深く反省している」と明らかにした。

それとともに、前科がない点、睡眠麻酔剤および睡眠剤依存を反省し、骨身に染みて後悔している点、着実に精神健康医学科の治療を受けて同じことが繰り返されないように努力中である点、有名芸能人としての影響力を活用して社会問題を知らせ、収益金を慈善団体に寄付するなど善良な影響力を行使してきた点を挙げ、善処を訴えたりもした。

そして最終陳述でユ・アイン自身は、「尊敬する裁判長。私はこの場で、事件と関連した私の過ちについて深く反省し、謝罪の言葉を伝えたい。私の事件を通じて、私の過ちによって傷つき、被害を受けた家族の方々、同僚の方々、ファンの方々に、心より謝罪の言葉を伝える。すみません」と頭を下げた。

彼は、「今回の事件を経験しながら、私の人生全体を振り返ることができる時間を持った。芳しくないが、この事件を通じて、さらに成熟して責任感のある人として生きていくことを固く誓っている。厳しい鞭打ちと愛情で私を導いてくださった多くの方々に感謝の言葉を伝えたい。もう一度、私に失望された方々、私によって傷ついた方々、そして私によって被害を受けたすべての方々に謝罪の言葉を申し上げる。どんな結果が出るかは分からないが、どんな結果であれ、今後、はるかに健康な姿で私を大切にしてくれた多くの方々に報い、社会により一層大きく貢献できる人間として生きていくことを約束する」と述べた。

続いて、チェ氏も「捜査が始まって終わる今まで後悔と反省をした。私が受けることになる処罰がどんなものか分からないが、甘受して健康な人に生まれ変わって社会に貢献する」と付け加えた。

なお、ユ・アインとチェ氏に対する判決は9月3日14時に下される。

(記事提供=OSEN)

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