『K-POPガールズ! デーモンハンターズ』監督が韓国で明かした舞台裏。続編にも言及

2025年09月06日 K-POP #映画
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世界的にヒットしたNetflixアニメーション『K-POPガールズ! デーモンハンターズ』の演出を担当したメギー・カン(カン・ミンジ)監督。

8月にソウルを訪れた彼女は、今回の訪韓で韓国文化とアイデンティティに対する真心を直接示した。国立中央博物館の白磁の月壺の前で「知らなかったディテールを知るとアイデアが浮かんでくる」と感嘆し、李在明(イ・ジェミョン)大統領と向かい合った際には「私たちの文化には、限りなく世界に示す価値がある」と自信を持って語った。

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『K-POP ガールズ! デーモンハンターズ』は単なるK-POPファンタジーではない。監督はこの作品を「恥とアイデンティティに関する物語」と定義した。

作中のキャラクターであるルミが感じる恐怖や欲望、愛されたいという願望は国境や世代を超えて誰もが共感できる感情である。この普遍性が、K-POPアイドルという世界的アイコン、そして韓国固有の巫俗・神話的象徴と結びつき、現在の『K-POPガールズ! デーモンハンターズ』シンドロームを生んだ。

(写真=Netflix映画『K-POPガールズ! デーモンハンターズ』独占配信中)

特に作中の代表曲『Golden』は一つの文化現象となった。

世界中の歌手たちがカバー動画をアップし、インフルエンサーたちがSNSチャレンジを続け、“聴く音楽”を超えて“参加する遊び”へと拡張された。どこでも流れ、誰もが口ずさみたくなるメロディが、この作品を単なるアニメーションではなく、ひとつのグローバルな体験へと押し上げた。

メギー・カン監督はピクサーやディズニーでキャリアを積み、世界のアニメーション業界から注目を受けてきたクリエイターである。しかし彼女に常に残っていた問いは「韓国をどう世界に見せるのか」であったという。

幼い頃、自分が韓国人だと紹介したとき、地図を見ても韓国を見つけられない人々の反応は衝撃であり、同時に使命感でもあった。今回の作品は、その問いへの応答だった。国立中央博物館での対談やCGV龍山での記者懇談会などで監督が直接伝えたメッセージをここに紹介しよう。

―博物館を訪れた感想は。
「国立中央博物館に来るといつも圧倒される。今回また訪れてみると、すべてのディテールが新しく迫ってきた。ただ“素晴らしい”というだけでなく、一つ一つが物語として感じられ、創作者として刺激を受けた。遺物を見ながらアイデアが浮かび、これを自分の作品にどう溶け込ませるか想像が広がった」

(写真=Netflix Korea)

―最も印象に残った展示は。
「月壺が特に心に残った。遠くから見ると完璧な円のように見えるが、実際は大きな鉢を二つつなぎ合わせて作られたものだと聞いた。その説明を聞いて“完璧でないことが、むしろより完璧に感じられる”と思った。不均衡の中の均衡、その余白がとても韓国的だった。そうした点が私にはすぐに創作のアイデアにつながった」

―博物館側との交流もあったそうだが。
「ユ・ホンジュン館長が直筆の虎の扇子とカチ虎のバッジをくださった。私も感謝の気持ちを込めて、『K-POP デーモンハンターズ』に登場する虎キャラクター“ダフィ”のぬいぐるみを差し上げた。違う分野で活動しているが、結局は韓国文化を世界に知らせたいという思いは同じだった」

―韓国を舞台にした作品を演出した理由は。
「子どもの頃、私が韓国出身だと言ったら、人々が地図を見ても韓国を見つけられなかった。それが衝撃だった。だからいつか必ず韓国を正しく見せたいと決意した。今回の作品に自分のアイデンティティを正直に込めた理由である」

―作品内の文化考証にも力を入れたと聞いた。
「正直、海外で韓国を扱うコンテンツを見るとディテールが欠けていることが多い。小さな間違いでも私たちには大きく響く。今回は“絶対に間違ってはいけない”という気持ちで制作した。幸い、韓国スタッフがいて、私が見落とすとすぐに指摘してくれた。これは私一人ではなく、チームワークでできたことだ」

―『K-POP デーモンハンターズ』の発想はどのように出てきたのか。
「最初はK-POP映画ではなかった。私は巫堂や死神といった韓国的イメージに魅力を感じ、そこから出発して“デーモンハンター”という大枠を作った。その後、K-POPの要素が加わり、今の世界観が完成した」

―“ハントリックス”や“サジャボーイズ”は誰をモデルにしたのか。
「特定のグループをそのまま移したわけではない。韓国グループだけでなく、海外アーティストも参考にした。だから一つに特定するのは難しい。むしろ世界のアイドル文化に共通するコードやエネルギーを込めた」

(写真=Netflix映画『K-POPガールズ! デーモンハンターズ』独占配信中)

―旋風的人気を集めるOST『Golden』についても聞かせてほしい。
「『Golden』はルミの願いと渇望を表す代表曲である。だから最も重要でありながら、最も難しい作業だった。メロディが美しく流れるだけでなく、キャラクターの前史を貫かねばならなかった。高音が多いほど感情が爆発すると考え、何度もバージョンを作り直した。バンクーバーで車の中でデモを聴いたとき、不意に涙があふれた。“これだ!”と思った」

―作品のグローバルな人気をいつ体感したか
「公開後の10日間、夫と二人でSNSにかじりついていた。深夜3時になってもスマホを手放せなかった。するとある瞬間、タイムラインの言語が英語から韓国語に変わったのを見た。“ああ、これこそがグローバルだ”と実感した」

―映画の核心メッセージは何か。
「私はこの作品を本質的に“恥の物語”だと思っている。ルミが感じる恐怖、アイデンティティの混乱、愛されたいという渇望…それは誰もが共感できる感情だ。それがストーリーの力である」

―“グッ”文化とK-POPステージをどうつなげたのか。
「グッ(巫俗儀式)は音楽と踊りで悪霊を追い払う儀式である。私はそれが最初のコンサートだと思う。グッのリズムやパフォーマンスがアイドルの舞台と通じる部分があると思った。だから“グッ=コンサート”というアイデアがハントリックスのステージとぴったり重なった」

(写真=Netflix映画『K-POPガールズ! デーモンハンターズ』独占配信中)

―続編への期待も大きいが。
「公式に決まったことはないが、私の頭の中にはまだ描き切れていないバックストーリーやアイデアがたくさんある。K-POPだけでなく、トロットやヘビーメタルといった多様なジャンルにも挑戦したい。続編が出ればまったく違う色の物語になるだろう」

―アカデミー受賞についての考えは。
「賞を意識して作ったわけではない。ただ、作品が何らかの形で認められるなら、それは本当に意味深く、光栄なことだと思う」

―どんなコンテンツから影響を受けたのか。
「私は幼い頃からソ・テジとアイドゥル、H.O.T.といった1世代のK-POPが本当に好きだった。彼らのステージが私の想像力を育てた。また、ポン・ジュノ監督の『グエムル-漢江の怪物-』からも大きな影響を受けた。韓国的でありながら世界的な物語が可能だということを示してくれたからだ」

(写真=Netflix Korea)

彼女の旅はまだ終わっていない。観客の心の中で新しい物語が今も書かれている。韓国から始まったそのインスピレーションは、世界各地でまた別のシンドロームへとつながっていくだろう。

(記事提供=時事ジャーナル)

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