経済協力開発機構(OECD)の「OECD Health Data 2012」によると、OECD加盟国の平均肥満率は16.9%(男性16.6%、女性17.2%)。
経済が成長すれば、下腹も成長する――。そんな世界的な傾向を尻目に、日韓の成人肥満率は非常に低く保たれている。
まず韓国の肥満率はOECD加盟国のなかで最も低い3.8%(男性3.6%、女性4.1%)となった。
対する日本も3.9%と、韓国に次ぐ非常に低い結果に。特に日本女性の肥満率は3.5%で、こちらは韓国女性よりも低いスコアとなっている(日本男性は4.3%)。
第3位となったスイスの肥満率が8.1%であることからも、日韓が完全に“二強”であることは間違いないだろう。
完全なる二強体制、“やせ国家”の日韓
そんな肥満率が極端に低い韓国では2014年3月、肥満の抑制に関する世界初の研究結果が発表された。
発見したのはソウル大学病院の研究チームだ。同研究チームによると、マウスを用いる実験を通じて、肥満と動脈硬化症、糖尿病などの原因であるレジスチンというホルモンが、特定タンパク質(CAP1)と結合して炎症反応を起こすという事実を確認したという。
これまでレジスチンが肥満と動脈硬化症、糖尿病の“原因ホルモン”という事実は明らかになっていたが、どんな原理で作動するかは解明されていなかった。
つまるところ、今回の研究を通じて、CAP1という特定タンパク質がレジスチンの受容体となって炎症反応を起こし、各種の病気を誘発することがわかったのだ。
研究結果を発表したキム・ヒョス教授は「今回の研究結果は、動脈硬化症、糖尿病など成人病治療の新たな手掛かりとなる」と話している。ちなみに、その研究結果はアメリカの学術誌『Cell Metabolism』に掲載されたという。
健康に「百害あって一利なし」といわれる肥満。日韓ともに、このまま低い肥満率を維持していきたいところだ。
前へ
次へ