飽きっぽい国民性の意外なメリット!? 新しい味を求め続ける韓国のお菓子業界

2017年02月08日 ライフ
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韓国の“飽きっぽい”国民性が存分に発揮されるところは、お菓子業界かもしれない。毎年「流行りの味」が突拍子もなく登場し、その味を取り入れたあらゆるお菓子がスーパーに陳列される。そして間も無く他の味が流行ると、お菓子コーナーもその味一色に変わってしまうのだ。

2014年に旋風を巻き起こしたのは、「ハニー(はちみつ)味」だった。韓国・ヘテ製菓の「ハニーバターチップ」が爆発的な人気を得ると共に、次から次へと似たような商品が登場した。人気がピークに達した頃は、名前に「ハニー」が付く類似商品が40種類以上存在したという。

その人気を受け継いで、2016年上半期には「バナナ味」が流行る。

オリオン製菓の「チョコパイ情 バナナ味」が発売から3週間で売上1000万個を突破すると、他のメーカーも負けじとバナナ味の商品を発売。お菓子袋にハニーやバナナ味を象徴する「黄色」が入ってなければ売れないというギャグもあるほどだった。

ところが状況はまた一変する。現在、「緑茶・抹茶味」が流行の真っ盛りなのだ。ハニーから続く甘ったるい味に飽きたのだろうか。2016年下半期から、お菓子コーナーはいつの間にか緑茶畑になっていた。今まで韓国ではあまり見たことのない「緑色」入りのお菓子袋がずらりと並ぶ。

ロッテ製菓によると、抹茶味のお菓子だけで月30億ウォンの売上を叩き出しており、今後も緑茶・抹茶味のお菓子のバリエーションをどんどん増やす予定らしい。これを見る限り、韓国人がほろ苦い緑茶・抹茶味の魅力にやっと目覚めたと言っても過言ではなさそうだ。

一方で、早くも新しい味が流行りそうな予感もする。

その新しい味とは、日本人におなじみの「わさび味」だ。昨年9月にビングレ製菓が発売した「コッケラン わさび味」が、大人を中心に人気を集めている。1986年に発売された「コッケラン オリジナル」は、年間売上が40億ウォンほどなのだが、わさび味を発売した昨年は前年度比37%アップした63億ウォンの売上を記録。これを見たヘテ製菓も「Jagabee わさび味」を発売し、月4~5億ウォンの売上を記録している状況だ。

果たして次の「流行りの味」は、どんな味なのだろう。こうやって次々と新しい味が期待できる点においては、“飽きっぽい”のも悪いことばかりではない気がする。

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