リゾート地のはずがもはや無法地帯?「東洋のハワイ」済州島の憂鬱

2022年01月15日 社会
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「東洋のハワイ」と呼ばれるほどの美しい景観を誇るのが韓国屈指のリゾート地である済州島(チェジュド)だ。

観光客の増加はもちろん、その過ごしやすさに影響を受けた移住する人も後を絶たない。その結果、民登録人口は10年前の2010年57万7187人だったが、2020年12月時点で69万7578人に増加した。

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しかし、人が増えればトラブルはつきものだ。特に、済州島はリゾート地の面も大きく、最近ではある問題に頭を悩ませている。

それが、飲酒運転の増加だ。

実は、済州地域で2カ月間、警察が飲酒運転特別取り締まりを繰り広げた結果、1日平均5人も摘発されていることが分かった。

済州警察庁によると、昨年11月と12月、自治警察団と合同で2ヶ月間年末年始飲酒運転特別取り締まりを行った結果、合計331人、1日5.4人が酒を飲んだまま運転していたことが明らかになった。

計331人のうち、血中アルコール濃度による免許停止は148人、取り消しは34人であり、2020年同期間比147人、79.9%が増えたことが確認された。

2021年の一年間飲酒運転取り締まりを行った結果も2020年より大きく増えたことが調査された。

警察によると、昨年の飲酒運転取り締まり結果1709件が摘発され、2020年1246件に比べ463件、37.2%が増加したと把握された。

全国的に飲酒交通事故による死傷者が減った反面、済州の場合発生件数は13.3%ほど減ったが、死亡者数は60%増えるなど被害が深刻だった。

昨年、済州で飲酒運転による死亡者は車両単独事故5人、歩行者衝撃事故3人など8人であることが確認されている。

こうした事実が明らかになると、韓国ネット民の間でも、「済州島の品位がどんどん下がっていく」、「どこにでも、ルールを守れない馬鹿がいる」など、ドライバーに対する怒りのコメントが多くのこされた。

実際、急速な人の増加に対して、現地でも「人が増えることでゴミが増えた」、「リゾート開発ばかり進めた結果、自然が破壊されていく」など、人流が増えたことを危惧する声も聞こえている。

人が多く集まることで経済は確かに回るかもしれないが、長期的に見てマナーの悪い人が増えるのはリゾート地の人気を下げる要因になる。どうにか対策して欲しいものだ。

 

文=サーチコリア編集部

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