特に多いのがバス乗車時のトラブルだ。
例えば今年3月には、光州広域市の50代男性がマスク着用を要請されたことに腹を立て、運転手に殴る蹴るの暴力をふるうと、止めにかかった70代男性にも暴行。さらには運転席の保護ドアやモニター端末を破壊するなどし、「特定犯罪加重処罰などに関する法律違反」「傷害」「器物損壊」「暴行」などの容疑で懲役2年が言い渡された。
6月にも同様のケースでバス運転手、さらには通報を受けて出動した警察にも暴力をふるったとして、大田広域市の50代男性に懲役8カ月と罰金30万ウォン(日本円=約3万円)が宣告。8月には酒に酔った70代男性がノーマスクで乗車し、バス内で唾を吐いたり、大声で暴言を叫んだりした挙句、別の乗客や警官を暴行したという例もあった。
一方でこんな事例もある。昨年2月、蔚山東区でノーマスクのままバスに乗ろうとした乗客を運転手が拒否すると、出発時に乗客の足がバスのドアに挟まり、足首などに全治2週間の怪我を負ってしまう。
警察は当時、必要な救護措置を執らなかったとして道路交通法を適用し、運転手の第一種大型免許を停止した。ただ、これを不服とした運転手が行政訴訟を起こした結果、今年9月に「免停は不当」だとして勝訴している。
バス以外にも、2022年には「コンビニ店員に“マスクを着用しなければ物は売れない”と言われた40代男性が、商品のビール瓶を割って自身の胸部や腹部を傷つけ、暴言を吐くなどし、特殊脅迫及び業務妨害の容疑で起訴された」「KTX(韓国高速鉄道)でマスク着用を要請された50代女性が乗務員に暴言を吐き、罰金30万ウォンと執行猶予1年が言い渡された」などの事件が起きるなど、各地でマスクをめぐるトラブルが絶えない状況だ。
韓国メディアはこうした事件について「マスクナンドン」と報じている。“ナンドン”とは日本語に直訳すると「乱動」で、大暴れや乱暴などを意味する言葉だ。今回有罪が言い渡された奥野被告についても、とある韓国メディアは「日本でマスク着用を拒否した“ナンドン”乗客」と表現していた。
コロナ流行初期と比べてマスク着用のルールは緩和されているものの、定められたルールはしっかり守る必要がある。日韓関係なく、今後はマスクをめぐるトラブルが減ってもらいたいものだ。
(文=サーチコリアニュース編集部H)
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