平等な社会の実現というものは難しい。何かを優先させれば、必ず不公正と感じる人が出てしまうからだ。
お隣・韓国はどうだろうか。
8月4日、韓国保健社会研究院は「社会統合実態診断および対応方案(X) - 公正性と葛藤認識」という報告書を公表した。
韓国保健社会研究員は2014年から年に1度、この調査を実施しており、2023年は19~75歳の男女3950人を対象に面接調査をしている。
その報告書内の「2023年社会葛藤と社会統合実態」の結果が興味深い。
なんと、「韓国社会は全体的に公正な方」と答えたのは回答者の34.9%に過ぎず、過半数は「公正さ」に否定的だったのだ。
また、年代的に見ると「公正さ」を感じていたのは中高年が多く、若ければ若いほど「不公正」に感じているという結果が出ている。
社会的に不公正になる要因としては、「既得権の不正腐敗」(37.8%)が最も多く挙げられ、「過度な競争システム」(26.6%)、「公正な評価体系の不備」(15.0%)、「公正性に対する国民の認識の低さ」(13.0%)、「階層移動の制限と不平等の増加」(7.6%)と続いた。
こうした結果に韓国内では、「政治家のレベルが低いからこうなった」「固まった既得権益を覆す革命が、今こそ求められている」「人類史上、公正だった社会・国家があったことはない」「平等・公正な社会なんて幻想だ」など、多くの意見があがっている。
誰しもが公正に感じる社会を作るのは難しく、徐々に不満は溜まっていく。一筋縄ではいかない問題だ。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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