夜中に酒を飲んで道路に横たわっていた人を車で轢いて死亡させ、起訴された運転者が韓国で無罪となった。
韓国法曹界によると、大田(テジョン)地方裁判所5-3刑事部(イ・ヒョソン部長判事)が交通事故処理特例法違反(致死)の容疑で起訴されたA氏に対し、1審と同じく無罪を言い渡した。
検察は1審判決に対して、事実誤認や法理の誤解があると主張したが、2審の裁判部はこれを受け入れなかった。
A氏は2022年9月10日午前3時30分頃、忠清南道・保寧(ポリョン)市の道路で横たわっていた酔っ払いのB氏(55)を避けられず、そのまま轢いて死亡させた。当時、死亡したB氏の血中アルコール濃度は0.218%で、酩酊状態だった。
検察側は、A氏が前方注視義務を怠った過失によって被害者を死亡させたと主張した。
しかし裁判所は、夜間に人が道路に横たわっているという、通常では予測しにくい状況において、被害者の死亡事故と被告人の業務上過失との因果関係を認めるには慎重であるべきと判断した。
また、事故現場の道路右側には車が駐車されており、被害者が上下暗い色の服を着て横たわっていたこと、被害者の下半身が駐車された車の一部に隠れていたこと、被告人の車両が制限速度を超えていなかったこともポイントとなった。
鑑定の結果、運転者の視界からは道路に横たわっていた被害者が見えなかったことなどが根拠となり、前方注視義務を怠って被害者を死亡させたという検察の主張は立証されなかったと判断された。
控訴審の裁判部は「検察が提出した証拠だけでは、被告人に前方注視を怠った過失があったことが合理的な疑いの余地なく証明されたとは言い難い」とし、「被告人に無罪を言い渡した1審の判断が不当だとはいえない」と述べた。
関連ニュースを受けて、韓国のオンライン上では「夜中に道路で寝ているなんて、誰が気づくか。無罪は当然だろう」「無罪でも運転手のトラウマは計り知れない」「むしろ被害者に罪はないのか?精神的苦痛を与えたという」「運転手が気づいて避けて死亡していたらと考えたらぞっとする」といった意見が見られた。
あまりに想定外の出来事だけに、運転手への同情が多いようだ。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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