オレオレ詐欺など高齢者が被害者になるニュースは多いが、韓国では90歳の老婆がお金を騙し取り、実刑判決を受けた。
親戚や知人を相手に詐欺行為を働き、約45億ウォン(約5000万円)を騙し取った3人の「高齢者一味」に実刑判決が下された。
議政府(ウィジョンブ)地方裁判所・高陽(コヤン)支院刑事合議1部(キム・ヒス部長検事)は10月28日、詐欺などの容疑でA氏(90歳)に懲役1年6カ月、B氏(72歳)に懲役3年、C氏(68歳)に懲役7年を宣告したと明らかにした。
同時に、賠償請求者に対して共同で5億1520万ウォン(約5700万円)を返済するよう命じた。
90歳のA氏と72歳のB氏は母娘の関係だ。そしてC氏は、母娘と知り合いの男であった。
娘B氏と男C氏は、2016年から被害者に対して「結婚する予定だ」と騙し、2023年3月までに計280回にわたり、12億6850万ウォン(約1400万円)を騙し取った容疑で裁判にかけられた。
また2018年7月から8月にかけて、老婆A氏は自分のいとこに「日本の債権を返済するためだ」などと話し、B氏やC氏と協力して計32回にわたり、1億7100万ウォン(約1900万円)を騙し取った容疑でも起訴された。
C氏は単独でも犯行に及んでおり、2016年から今年までに被害者15人から21億ウォン(約2300万円)以上を騙し取っていた。
彼らは騙し取った金を生活費や高級品の購入費用に使っていたことが調査で明らかになった。
彼らの犯行による被害者は計22人、被害総額は45億ウォンに達すると見られている。被害者の大半は高齢者で、A氏らと顔見知りだったり、知人から紹介を受けたりした人物であった。
彼らの手口は単純だったが、被害者をたびたび騙すための嘘は非常に具体的だったといえる。「銀行の手続きが終わったら、今日、裁判所の税金47億ウォンを立て替える」「青瓦台(大統領府)の承認を待っている」「今日は公務員に会ったが、夕食の飲み代を支払わなければならない」「明日の日付で書類を整えて韓国銀行に申請したが、一日中かかりそうだ」などと、捏造を繰り返した。
被害者たちは「今回さえ乗り切れば、今度こそ大金が手に入る」という趣旨の言葉を信じ続け、結果的に大きな被害を受けた。
裁判部は「被告人たちは数年間にわたり被害者たちに様々な嘘をつき、金を要求して被害を拡大させており、責任は重い。特にC氏は犯行を主導的に計画し、実行したとみられる」と述べ、「被害者と合意に至っていない点や、過去に刑事処罰を受けた経歴がある点を考慮すると、厳しく処罰する必要がある」と判決を下した。
関連ニュースを受けて、韓国のオンライン上では「共犯の娘が母親の善処を嘆願。コメディかよ」「刑が軽すぎる。犯罪者が高齢者なら被害が少ないのか?」「45億ウォンも詐欺したのに懲役1年6カ月とは衝撃」「さすが詐欺天国だ」といった声が上がった。
いずれにしても、90歳の女性が詐欺で実刑判決を受けるのは稀なことだろう。それでも刑が軽すぎるという意見が多く、今後の展開に注目が集まる。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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