自社のオンライン講座に「お金のムダだった」とレビューを書かれ、1億ウォン(日本円=約1068万円)超の民事訴訟を起こした運営者が1審・2審ともに全面敗訴した。
韓国法律救助公団によると、裁判所は最近、オンライン講座運営者A氏が受講生B氏を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、1審・2審いずれも原告(A氏)の敗訴を言い渡した。
B氏は2021年8月から受講料を支払い、A氏が運営する企業のオンライン講座を4カ月にわたり受講した。
その後、2022年3月頃、A氏が運営するオンラインコミュニティに「講座の感想」を尋ねるコメントが投稿されると、B氏は「お金のムダでした」と返信。これに対し、A氏がB氏を名誉毀損および業務妨害の容疑で刑事告訴したが、B氏は「嫌疑なし」の処分を受けた。
A氏は引き続き法的措置を講じ、B氏を相手取って損害賠償金および慰謝料として計1億ウォンを請求する民事訴訟を提起した。B氏の否定的なコメントが原因で顧客が離れ、売上が減少したというのがA氏の主張だ。
困惑したB氏は韓国法律救助公団に支援を求め、最終的に勝訴するに至った。
B氏の代理として裁判に臨んだ公団は、「B氏のコメントは受講者としての主観的な評価を表現した意見であり、事実の摘示や虚偽の流布ではなく、表現の自由の範疇である」と主張した。また、「コメント一つだけでは講座の売上減少との因果関係を証明できず、原告の損害主張には客観的な根拠がない」とも指摘した。
裁判所もA氏の請求を棄却し、B氏および公団の主張を支持した。B氏のコメントは価値判断や評価を内容とする意見表現であり、名誉毀損や業務妨害とは認定できないという理由だった。
A氏はその後、請求額を4500万ウォン(約480万円)に引き下げて控訴したが、裁判所はこれも認めなかった。
B氏の代理人を務めた公団のオム・ウク弁護士は、「今回の判決は、オンライン上での消費者によるレビューや評価が、表現の自由として尊重されるべきであることを確認した事例だ」とし、「公団は今後も、経済的・社会的弱者が不当な法的紛争に巻き込まれないよう継続して支援していく」と述べた。
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