韓国における日本ビールと中国ビールの輸入量の明暗がはっきりと分かれている。
日本ビールの輸入量は過去最高に迫る勢いを見せる一方、中国ビールの消費量は新型コロナパンデミック以前の半分にも満たない水準に落ち込んだ。
12月24日、韓国関税庁の輸出入物流統計システムによると、今年1月から10月の日本ビールの輸入量は7万6700トンを記録した。
この数字は2017年の8万トンを超え、過去最高だった2018年の8万6700トンに迫る勢いだ。
韓国において日本ビールは、2010年から2018年まで輸入ビール市場で不動の1位だったが、2019年7月の「ノー・ジャパン(No JAPAN)」不買運動によって、輸入量が急減した。2019年は4万7300トンと前年の半分近くに落ち込み、2020年6500トン、2021年7800トンと、全盛期の10分の1まで下がった。
しかし2023年に6万6900トンまで回復し、今年も好調が続いている。
一方で、今年同期間の中国ビールの輸入量は2万1100トンにとどまった。
中国ビールは2019年に5万8200トンと過去最高を記録し、以降も2020年4万3300トン、2021年4万8200トン、2022年4万6500トンと堅調に推移していた。しかし、2023年に3万7300トンと3万トン台に下落し、今年(10月まで)は2万トン台へと急落した。
中国ビールの人気が下がっている一因として、多くの韓国メディアが取り上げているのは昨年10月に発生した「放尿ビール」事件だ。
この事件は、山東省平度市にある青島(チンタオ)ビール第3工場で、ヘルメットと作業服を着た男性がビール原料である麦芽保管庫に入り、尿をしているように見える映像を中国のSNS「微博(ウェイボー)」に投稿した騒動だ。
この第3工場は、青島ビールが中国国内での需要を拡大するために建設したもので、輸出用ビールを製造する青島第1工場とは無関係だ。しかし、この事件をきっかけに、中国ビールそのものに対する韓国消費者の不信感が高まった。
青島ビールが受けた被害の規模は韓国市場が最も大きかったとされており、単純な輸入量や輸入額の減少にとどまらず、株価は急落し、青島ビールの韓国内輸入会社であるビアKは希望退職を実施せざるを得なかった。
さらに、中国に対する韓国人の好感度の低さも影響している可能性がある。
韓国教育部傘下の東北亜歴史財団が韓国リサーチに依頼し、今年7月22日から30日にかけて全国18~39歳の男女1000人を対象に実施した調査結果によると、18~39歳の韓国男女の中国に対する好感度は、わずか10.1%に過ぎなかった。
一方、否定的な回答は86.2%に達している。中国に対する好感度が極めて低いことが浮き彫りとなっているのだ。
いずれにしても韓国市場では、日本ビールの輸入が増加する一方で、中国ビールの消費が減少する傾向が鮮明になっている。この動向が今後どのように変化していくのか、引き続き注目が集まる。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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