28年ぶりに行われた韓国の僧侶大会…5000人を超える僧侶たちの怒りの集会は隠された大統領選挙への布石?

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韓国の前身である朝鮮王朝を建国した初代王・李成桂(イ・ソンゲ)は、前国家である高麗において、仏教が強い影響力を持っていたことを懸念して、その勢力を弱めるために冷遇した。

【韓国人と宗教】40%が「信じる宗教がある」と回答。その一方で…

朝鮮王朝時代には仏教寺院は山奥など、人流の少ない場所に移転させた。その結果、現在の韓国でも仏教寺院は山奥や人流の少ない箇所にある場合が多く、カトリックなどに比べて不当な扱いを受けることが多い。

1月21日、全国の僧侶たちがソウル鍾路区曹渓寺に集まり、政府の宗教偏向政策を糾弾するため、「全国僧侶大会」を開いた。

これは、宗憲宗法を超越する超法的意思決定手段で、終端が危機に瀕したと判断した時だけ開く重みのある行事だ。

全国僧侶大会という名前で曹渓宗僧侶たちが一堂に会したのは、1994年の終端改革と仏教者主化を要求した僧侶大会以来、28年ぶりだ。

新型コロナウイルスの感染拡大という時勢、批判が懸念されるなかでも5000人余りの僧侶たちが集まり、政府・与党と全面戦を宣言した。

韓国の僧侶たちを激怒させたのは、与党「共に民主党」チョン・チョンレ議員の文化財観覧料徴収発言だ。

韓国仏教界の最大宗派である曹渓宗

韓国政府は便宜上、国公立公園の入場料と文化財観覧料とを合同徴収してきた。しかし、2007年には国立公園の入場料を廃止し、文化財の観覧料だけは放置した。韓国では国立公園付近に寺院の所有地が多く含まれている。それだけに登山客などから、不満の声が多く上がっていた。

そこにチョン議員の「文化財の観覧料は通行税で、これを求める寺側を詐欺師」という発言が重なり、韓国仏教界の逆鱗に触れたのだ。

全国僧侶大会では韓国政府の偏向した宗教政策が批判され、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に謝罪と対策を要求した。

しかし、韓国仏教界の内部でも曹渓宗のこの大規模な抗議に懸念を示す声が多い。コロナ感染者が急増する状況で、数千人の集会を開くべきかどうかを置いて甲論を打ちつけている。文化財観覧料などの問題が査察財産権と関連しているという点で僧侶大会を開くには名分が弱いという指摘もある。

また、大統領選を控えた「イ・ジェミョン氏が当選した場合は、これ以上の宗教変更が出ないようになる」などの政治的発言まで飛び出たことから、選挙運動のひとつだと批判する声も上がった。

実際、正義平和仏教連帯が僧侶を対象に実施した全国僧侶大会賛否アンケート結果、同大会に64%が「反対する」という立場を示している。

これには韓国ネット民の間でも「良識ある半数以上の僧侶が反対していることを忘れてはならない」「明白な選挙運動だ。不法選挙になるのでは?」など、否定的な意見が目立った。

冷遇され続けた過去をもつ韓国の仏教。それでも、多くの人が信奉する宗教だけに、その影響力ははかりしれない。こうした動きは選挙にどんな影響をもたらすだろうか。

(文=サーチコリアニュース編集部)

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