すでに事前投票も始まり、3月9日には韓国の新しい大統領が決まる。大激戦となっている選挙戦だけに、新大統領には大きな期待が集まる。
新しい大統領が生まれるということは同時に、文在寅(ムン・ジェイン)政権の終わりを意味する。それだけに文大統領の去就には、韓国内外問わず多くの注目が集まっている。
なぜなら、韓国において大統領職を退いた者たちはかなり厳しい余生を送ることになるからだ。
歴代大統領たちの中から何人かのその後を辿ってみよう。
まず、第5~9代大統領の朴正煕(パク・チョンヒ)だ。彼は軍事政権を樹立した後、側近からの銃弾に倒れた。
続いて第11~12代大統領の全斗煥(チョン・ドゥファン)。彼は任期中、徹底的に言論統制を行ない政権批判を厳しく罰則し、退任後に言論弾圧などの罪に問われ、多額の追徴金に加え無期懲役となった(後に特赦が与えられる)。
また、第16代大統領の盧武鉉(ノ・ムヒョン)は退任後に贈賄の容疑をかけられ、逮捕が検討されるまでに。その後、逮捕を恐れて巨大な岩から飛び降り、自ら命を絶った。
韓国の大統領選挙の事前投票率が過去最高の36.9%を記録した。事前投票が全国単位選挙に初めて適用された2014年以降、投票率が30%を突破したのは今回が初めてだ。
それだけ現在の文政権に不満を抱えている層が多いということだろうか。韓国オンライン上でも「国家が厳しいときこそ、政治に関心を持つ人が増える」「早く政権交代をしなければならない」「政権交代を希望する国民がこれだけ多いという証拠だ」とコメントしている。
韓国では大統領に強力な権力が与えられる。それだけに、権力乱用の不幸な歴史が繰り返されているが、大統領権限を縮小するという流れはない。
多くの国民から不支持を突きつけられている文大統領。新たに誕生する政権は、彼の運命をどう左右するのだろうか。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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