朝鮮半島が南北に分断されて多くの時が流れた。元々は一つの国であり、「いずれ統一」という考えは両国に暮らす多くの国民の願いだったが、最近では大きな変化が起きている。
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ことの発端は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が、1月の最高人民会議(国会)で韓国を「敵国」と憲法に明記すべきだと表明したことにある。さらに、対韓国政策を転換する考えを示し、韓国との平和統一の放棄を表明。今後、統一に関する標語を使わない方針を示した。
それに付随して、2月には北朝鮮の国歌である『愛国歌』の歌詞の中で「三千里美しい我が祖国」という部分を「この世界の美しい我が祖国」に変更した。
この「三千里」とは北朝鮮で広く使われている伝統的な表現で、朝鮮半島全体を指している。国歌のフレーズを変えるということは、それだけ本気の政策ということだ。
また、4月18日には北朝鮮の朝鮮中央テレビでは、『愛国歌』という名称も『朝鮮民主主義人民共和国国歌』という字幕付きで放送したのだ。なお、その前日である17日までは、これまで通り『愛国歌』のままだった。
なお、社会主義憲法第171条には、「朝鮮民主主義人民共和国の国歌は『愛国歌』である」という一文がある。なお、北朝鮮が憲法を改正するには、最高人民会議を開いて議論しなければならないが、北朝鮮媒体から関連報道は出ていない。
こうした金正恩総書記主導の徹底した対応に、韓国内では「北朝鮮の人々が金一族の支配から解放されないと統一は無理」「これで、国名に民主主義と入れているのが笑える」「もう統一は無理だろうな……」など、多くの意見があがった。
韓国と北朝鮮が統一する日はまた遠ざかったようだ。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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