韓国銀行が今年の実質国内総生産(GDP)成長率の展望値を2.4%から2.2%に下方修正した。
来年の予想は、従来の2.1%から1.9%に引き下げ、1%台にとどまると予想されている。
韓国銀行は11月28日に発表した修正経済展望で、今年の経済成長率の予想を8月の見通しより0.2%ポイント低い、2.2%と提示した。第1四半期は異例の高い成長率で1.3%(前期比速報値)を記録したが、第2四半期の成長率がマイナス0.2%に落ち込み、第3四半期も0.1%にとどまった点を反映したものと見られる。
今回の韓国銀行の展望値は、政府の既存の展望値(2.6%)をはじめ、国際通貨基金(IMF)や経済協力開発機構(OECD)、韓国開発研究院(KDI)がそれぞれ示した2.5%よりも低い水準だ。
投資銀行(IB)では、バークレイズ、シティ、HSBC、UBS(いずれも2.3%)より低く、ゴールドマン・サックス(2.1%)より高く、JPモルガンや野村(いずれも2.2%)と同じ水準となった。
来年の成長率予想は、2.1%から1.9%に下方修正された。これは韓国銀行が推定した潜在成長率(2.0%)よりも低い水準であり、韓国経済が低成長局面に突入する可能性を示唆している。このような見通しには、ドナルド・トランプ米大統領当選者の保護主義や関税政策などが、韓国の輸出企業に打撃を与える可能性があるとの分析が含まれていると考えられる。
韓国銀行は今年の消費者物価上昇率の展望値を従来の2.5%から2.3%に、0.2%ポイント下方修正した。来年の消費者物価上昇率の展望値も2.1%から1.9%に引き下げた。最近、ウォン-ドル為替レートがやや上昇したが、国際原油価格が懸念していたよりも安定しており、農産物価格の上昇も鈍化したため、予想を修正したと考えられる。
一方、韓国政府は11月15日に発表した「最近の経済動向」10月号で、「物価の安定が広がるなか、緩やかな景気回復が続いているが、内外の環境変化による不確実性が存在する」と診断した。これまで使っていた「景気回復の流れ」という表現を「緩やかな景気回復」に変更し、その分、回復のスピードが遅いことを意味するものと解釈されている。
KDIは11月12日に発表した経済展望で、輸出増加の鈍化により、来年の韓国経済は今年(2.2%)より低い2.0%の成長にとどまると予想した。KDIは「トランプの公約実現の程度と速度に不確実性が大きい」とし、「貿易紛争が急速に激化することで、世界経済に相当な下押し圧力を与える可能性がある」と説明した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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