「日本に盗まれたものを購入するしかない現実」日本にあった朝鮮王朝時代の“扁額”、約100年ぶりに韓国に返還

2025年02月03日 国際 #歴史問題
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長年、日本に所蔵されていた朝鮮王朝時代の王宮「景福宮(キョンボックン)」の扁額(へんがく)が韓国に返還された。

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韓国の国家遺産庁は2月3日、日本にあった景福宮の「璿源殿(ソンウォンジョン)」の扁額がライアットゲームズの支援を受けて韓国への返還に成功したと発表した。

扁額とは、建物の内外や門などに設置される看板のことだ。「璿源殿」は、朝鮮時代の歴代王の肖像画を奉安し、儀礼を行っていた空間で、その建物に掲げられていた扁額が日本から韓国に返還されたということになる。

景福宮の璿源殿は1444年に創建されたが、「文禄・慶長の役」の際に全焼した。『景福宮営建日記』によると、1865年から景福宮の再建が始まり、1868年に景福宮内の璿源殿が再建された。その後、日本統治下だった1930年代に扁額が日本に持ち出されたと推定される。

景福宮
(写真=サーチコリアニュース)景福宮

国家遺産庁によると、同庁は璿源殿の扁額が2023年12月に日本・福岡の古美術オークションに出品されたとの情報を入手し、昨年2月にライアットゲームズ社の支援を受け、多額の資金で緊急購入した。

国家遺産庁は国外財団と共に、所蔵者側に対して朝鮮王室の文化遺産である景福宮・璿源殿の扁額が韓国に戻るべき正当性を強調し、積極的な説得と交渉の末、無事に韓国へ持ち帰ることができたという。

扁額は、縦4メートル、横2メートルの大きさで、黒地に金色の漢字で「璿源殿」と記されている。扁額は、特に損傷もなく良好な状態だった。また、扁額とともに宮殿の建物の軒先に置かれる雑像(装飾物)1点も回収された。

返還された璿源殿の扁額
(写真=国家遺産庁)返還された璿源殿の扁額

これら2点は現在、国立古宮博物館の収蔵庫で保管されている。実物は2月27日に国立古宮博物館でメディアに初公開される予定だ。

約100年ぶりに韓国へ返還された璿源殿の扁額について、韓国国内のオンライン上では「日本は盗んでおきながらお金をもらって返すのか」「盗まれたものを購入するしかない現実」「とにかく無事に戻ってこられて良かった」といった反応が寄せられた。

いずれにしても長い年月を経て帰還した璿源殿の扁額は、韓国の歴史と文化の象徴として、多くの人々にその歴史的意義を伝える役割を果たすことになりそうだ。

(文=サーチコリアニュース編集部O)

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