「親北勢力を放置すれば国が滅びる」尹大統領が非常戒厳を直接指示、起訴状で明らかに

2025年02月04日 政治 #時事ジャーナル
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「12・3 非常戒厳事態」で弾劾訴追された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、特定の報道機関に対する電気・水道の遮断や政治家の逮捕などを、一部の国務委員らに直接指示していた状況が明らかになった。

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また、尹大統領は非常戒厳直前に開かれた国務会議で「国務委員と大統領の状況認識は異なる。後戻りはできない」と述べ、非常戒厳を強行したことが判明した。

検察の起訴状には、憲法および法律(戒厳法)に従うべき非常戒厳の宣告手続きに関する問題や、大統領の権限乱用など記載されていることが確認された。

尹大統領「国務委員と大統領の状況認識は異なる」

2月3日、国会法制司法委員会所属の「共に民主党」キム・ヨンミン議員室を通じて入手した尹大統領の起訴状によると、尹大統領は昨年12月3日の夜、非常戒厳を宣告する前後に、大統領執務室に一緒にいたイ・サンミン行政安全部長官に対し、特定の報道機関に対する電気と水道の遮断を指示した。

イ長官に渡した文書には、12月4日午前0時を起点に特定の報道機関などを封鎖し、消防庁を通じて電気と水道を遮断するよう指示する内容が記載されていた。

実際にイ長官は、布告令の発令直後の23時34分頃、チョ・ジホ警察庁長などに電話をかけ、措置の状況を確認した。同日22時23分、非常戒厳の宣告直後に発令された「戒厳布告令第1号」には、韓国全域での政治活動禁止、報道統制、社会混乱の扇動禁止などの内容が含まれていた。

尹錫悦大統領
(写真=時事ジャーナル)尹錫悦大統領

非常戒厳の宣告過程における違憲・違法性の問題も取り上げられた。非常戒厳直前に開かれた国務会議では、ハン・ドクス国務総理をはじめとする国務委員らが非常戒厳の宣告に反対したとされる。

しかし、尹大統領は当時、大統領執務室とつながる大接見室で、ハン・ドクス国務総理をはじめとする国務委員やチョ・テヨン国家情報院長らに対し、「長官らの立場から見た状況認識と責任感は、大統領とは異なる」と述べ、非常戒厳の宣告を強行したと、検察は判断している。

尹大統領は当時、「これは大統領である私が決断したものであり、大統領が責任を負って行うことだ」と述べ、「今、この計画を変更すればすべてが崩れる」とも発言した。さらに、「親北勢力をこのまま放置すれば国が滅び、経済も外交も何もできなくなる」とも発言したという。

また、チョ・テヨル外交部長官には「在外公館を通じて対外関係を安定させろ」と書かれた文書を手渡した。

警察庁長に指示「全員逮捕しろ」

起訴状には、尹大統領が非常戒厳の実行過程で直接関与した部分も含まれている。これは、軍関係者の国会証言はもちろん、すでに起訴された主要人物らの起訴状の内容とも一致する部分である。

尹大統領は、非常戒厳を宣告して約1時間後の12月3日23時23分頃、パク・アンス戒厳司令官に直接電話し、布告令発令の有無を確認しながら「チョ・ジホ警察庁長に布告令について知らせろ」と指示した。

また、同日23時30分から、国会の非常戒厳解除決議案が可決された4日午前1時3分までの間に、チョ庁長に6回電話をかけ、「国会に入ろうとする国会議員を全員逮捕しろ」と命じた。国会議員の行為が布告令違反に該当するという理由だった。

尹錫悦大統領
(写真=写真共同取材団)尹錫悦大統領

それだけではない。非常戒厳解除決議案の可決直前である4日未明、イ・ジヌ首都防衛司令官には「本会議場に入り、国会議員を引きずり出せ」という趣旨の指示を出した。

また、国会が可決した直後にも、「国会議員が190人入ったと言うが、本当に190人が入ったのか確認も取れていない」「だから私は戒厳を宣告する前に兵力を動かさなければならないと言ったのに、皆が反対した」「解除されたとしても、私は2度でも3度でも戒厳令を宣告すればいいのだから、引き続き進めろ」とイ司令官に指示した。

このほか、クァク・ジョングン特殊戦司令官やホン・ジャンウォン国家情報院元第1次長らにも、国会議員の逮捕などに関連する指示を出していたことが明らかになった。

検察「手続きに重大な違反」

この件に関連し、検察の「非常戒厳特別捜査本部」(本部長:パク・セヒョンソウル高等検察庁長)は1月26日、職務停止中の尹大統領を内乱首謀罪で起訴した。

検察側は、「非常戒厳は憲法および戒厳法で定められた非常戒厳宣告の要件に該当せず、法令上の手続きに従わないまま国務会議の審議が行われた」として、「(非常戒厳を進言したとされる)キム・ヨンヒョン前国防部長官は、ハン・ドクス国務総理を経ずに大統領に直接非常戒厳の宣告を進言した」と指摘した。

さらに、「尹大統領は非常戒厳を宣告したにもかかわらず、その理由、種類、施行日時、施行地域、および戒厳司令官を公示せず、国会への通告も怠った」とし、「国務会議の審議を経ずにパク・アンス陸軍参謀総長を戒厳司令官に任命した」とも述べた。

尹大統領側は一部の軍関係者らの証言について、「事実無根」と主張している。検察の起訴状に記載された尹大統領の容疑は、今後の裁判過程で争われる見通しだ。

(記事提供=時事ジャーナル)

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