誰がなっても韓国の大統領は弾劾されるか、退任後に刑務所に行くかしかない…憲法改正の機会だ

2025年02月08日 政治 #時事ジャーナル
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尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する憲法裁判所の弾劾審判が進行中だ。

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どのような結論が出ようとも、すでに「1987年体制」としての第六共和国憲法は、その役割を終えつつあるように見える。

筆者はこれまで改憲論には慎重な立場を取っていた。基本的には制度の問題というより、人の問題だと考えていたからだ。

しかし盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権以降の20年を振り返ると、5年単任制の大統領制はどの観点から見ても、今後持続可能な制度ではないことが明白になった。今後、誰が大統領になろうとも、この制度の下では途中で弾劾されるか、退任後に刑務所に行くという不幸が繰り返されるだろうという見解が広く支持されている。

また、かつてのように大統領制か議院内閣制かという議論は、それほど関心を引かなくなったようだ。韓国国民の間では、国家の最高指導者を自らの手で選ばなければならないという意識が、過去よりも弱まるどころか、むしろ強まっているように見える。

2月6日、憲法裁判所で尹大統領が弁護団と対話している
(写真=共同取材団)2月6日、憲法裁判所で尹大統領が弁護団と対話している

さらに、以前ほど左右のイデオロギーの対立が極端ではなくなったことも、改憲への道がそれほど困難ではないことを示している。

現在の「共に民主党」は、かつての左派イデオロギー政党とは比較にならないほど中道へと移行しているのも事実だ。これは、世界的な潮流とも無関係ではない。

現在、与党「国民の力」は「帝王的議会」を牽制すべきだと主張し、逆に野党「共に民主党」は戒厳令事態を引き合いに出し、「帝王的大統領」を牽制すべきだと訴えている。

しかし、どの制度を選択しようとも、相手を尊重し、妥協する政治文化がなければ、新たな制度は本来の機能よりも副作用のほうが大きくなるだろう。したがって筆者は、もし改憲を行うのであれば、権力構造の設計において、一方の独走を防ぎ、相互牽制と政治の安定を最優先の課題とすべきだと考えている。

そのために重要なのは、政党政治の活性化に他ならない。特に政党が一般国民の間に深く根付くことができるような制度を整えることに、力を注ぐべきである。そこから、妥協する政治文化が生まれ、新しく有能な政治家を育成することも可能になるからだ。

こうした準備をせず、毎回外部から政治の新人をリクルートした結果が、現在の尹錫悦と李在明(イ・ジェミョン)の対立だ。両者とも政党が育てた人物ではなく、外部から招かれた人物だ。したがって改憲を行うのであれば、政党政治の活性化が極めて重要な課題として扱われるべきだ。

「共に民主党」李在明代表
(写真=時事ジャーナル)「共に民主党」李在明代表

地域主義の問題、世代間の対立、男女間の対立といった問題も、まずは政党政治の活性化という観点からアプローチされるべきだろう。各政党がこれらの問題を扱う専門家を体系的に発掘し、育成し、議会に進出させることができるよう、新憲法は設計されるべきだ。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は、明確に「二つの国家」を宣言した。改憲が実施される際には、この問題に対する解決策も提示されるべきだ。中長期的な戦略を策定した上で、それをどの程度新憲法に盛り込むのか、慎重に検討せざるを得ない。

現在の国際政治は、経済を中心に完全に再編されている。それは各国の産業レベルと連動し、今後10~20年の韓国の国運を左右することになる。より経済問題に敏感な政治体制、特に国会の構築は、改憲プロセスにおいて極めて重要な課題となるだろう。

過去の弊害から脱却するだけでなく、未来の韓国を設計するための改憲作業でなければならない。そのためには、各界各層の様々な主張や要求を百家争鳴のごとく噴出させるべきである。その上で、最高の専門家たちが参加する各種委員会が主要な課題を抽出する必要がある。

そして最終的には、政治界の大妥協を通じて改憲作業を完成させるべきだが、このすべてに強く反対する一人がいるため、これを乗り越えられるかどうかは未知数だ。

(記事提供=時事ジャーナル)

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