アメリカが原子力や人工知能(AI)などの先端技術協力を制限できる「センシティブ国」リストに韓国を追加したことをめぐり、与野党が互いに責任を押し付け合う論戦を繰り広げた。
米エネルギー省によると、センシティブ国には中国や北朝鮮、イスラエル、ロシア、イランが含まれている。
韓国の与党「国民の力」は野党が弾劾を乱発して外交対応が遅れたと主張し、最大野党「共に民主党」は尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の無能と内乱が招いた外交惨事だと批判した。
「国民の力」のクォン・ドンウク報道官は、3月16日の論評で「共に民主党は軽率な判断を控え、これを政治的に利用しないよう願う」とし、「センシティブ国に指定された1月から現在までの期間は、ハン・ドクス大統領権限代行が弾劾され、職務が停止されていた時期であり、(弾劾によって)政府の対米外交力と交渉力が無力化された責任を免れることはできない」と述べた。
また、野党側がセンシティブ国指定の背景として与党内の核武装論を取り上げていることについては「軽率な解釈だ」とし、「核武装論は単にセンシティブ国指定だけに限定して論じられるアジェンダではない」と指摘した。
さらに「政府は事実把握が遅れたことに対し、大きな警戒心を持つべきだ。弾劾局面の混乱が言い訳にはならない」とし、「韓米の意思疎通チャンネルを綿密に点検・強化し、4月15日の発効前に是正できるよう、外交力を総動員しなければならない」と強調した。
「国民の力」ユン・サンヒョン議員は同日、国会の報道陣との会見後に記者団に対し、「弾劾を主導した勢力が最終的に政権を握った場合、AI、船舶、半導体などの先端技術が中国などの特定の敵対国家に流出する危険があるのではないか」とし、「そうした観点からセンシティブ国に指定されたようだ」と主張した。
一方、「共に民主党」は、アメリカが韓国をセンシティブ国に指定したことについて「韓米同盟が初めて“格下げ”された」と批判した。
「共に民主党」のチョ・スンレ首席報道官は国会の記者会見で、「朝鮮戦争後に締結された韓米同盟はこれまで発展し続けてきた」とし、「(12月3日の戒厳令以降)外交・安全保障の危機にまで発展しているようで、深刻に受け止めている」と述べた。
チョ報道官は「尹大統領と政府・与党関係者は核問題について無責任な発言を繰り返し、非常戒厳時にはアメリカ側と意思疎通・情報共有すらなかった」とし、「韓国の政治、経済、外交・安全保障が総体的な危機に直面しているのは、無能な尹錫悦大統領と政府、無能な与党が招いた外交惨事だ」と批判した。
さらに「12月3日の内乱の影響でこの事態が進行している以上、憲法裁判所は無能な内乱首謀者である尹錫悦の罷免を遅らせる理由がない」と主張した。
「共に民主党」のファン・ジョンア報道官も論評で、「尹錫悦、キム・ゴンヒ(大統領夫人)の犯罪を覆い隠すための内乱によって、国家安全保障の基盤であり国際協力の核心軸だった韓米同盟まで揺らいでいる」とし、「民生経済の破綻に加え、韓米同盟の亀裂の兆しまで、内乱の代償として複利の利息がついている」と非難した。
野党「祖国革新党」のファン・ヒョンソン事務総長は、記者会見で「尹錫悦政権の外交惨事の代表的な事例として記録されるだろう。到底あり得ないことが起こった」とし、「(尹大統領の)弾劾が完了し、政府と次期政権はセンシティブ国指定の発効前に最大限の外交努力を尽くさなければならない」と述べた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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