韓国芸能界で、いま静かに“日本人妻ブーム”が起きている。
その象徴といえるのが、俳優シム・ヒョンタク(46)と、18歳年下の日本人女性サヤさん夫妻、そして2人の間に生まれた息子・ハルくんだ。シム・ヒョンタクがSNSにハルくんの写真を投稿するたびに韓国メディアが記事化し、「天使みたい」「かわいすぎる」とコメントが殺到。芸能界きっての“スター家族”として注目を浴びている。
同じく話題を集めているのが、俳優イ・ジフン(45)と日本人の妻アヤネさん(31)夫妻。2人は2021年に結婚し、2024年7月には第一子となる女児が誕生。YouTubeチャンネルや韓国のバラエティ番組に夫婦で出演し、仲睦まじい姿が人気を呼んでいる。
こうした“日韓夫婦”が注目される理由のひとつは、年齢差と国境を越えた恋愛という組み合わせの新鮮さだ。だが、現象としての広がりは芸能界にとどまらない。韓国統計庁が発表した「2024年婚姻・離婚統計」によると、韓国人男性と日本人女性の国際結婚件数は1176件。前年の840件から約40%も増加し、2022年(599件)から見ても右肩上がりが続いている。
なぜ、いま韓国で日本人女性との結婚が増えているのか。背景には、韓国の20~30代男性の“日本女性への関心の高まり”がある。
ソーシャルディスカバリーサービス「WIPPY」を運営するENLIZE(エンライズ)が実施した「韓日間の恋愛・出会い意識調査」(対象:日韓両国の20~30代男女1万人)によると、韓国人男性の85%が「日本人女性との出会いに積極的」と答え、実際に「出会う意向がある」とした割合は96.9%に達した。一方、日本人女性のうち80%が「韓国人男性と出会いたい」、83.9%が「実際に出会う意向がある」と答えており、双方の関心は高い。
その象徴とも言えるのが、イ・ジフン夫妻のエピソードだ。アヤネさんはもともとイ・ジフンのファンで、韓流ドラマをきっかけに韓国文化に惹かれたという。彼女はテレビ番組でこう語っている。
「15年前、母親たちの間で“ヨン様ブーム”がありました。私が初めて見た韓国ドラマは『ハロー!お嬢さん』で、主演がイ・ジフンさんだったんです。そこから自然に惹かれて、ファンミーティングにも行くようになりました」
その後、知人の紹介を通じて2人は出会い、交際を経て結婚。アヤネさんは「芸能人への初恋がそのまま夫になった」と笑顔で語る。
一方で、「韓国人女性×日本人男性」という組み合わせは依然として少ない。2024年の件数は147件で、前年(143件)とほぼ変わらず横ばいの状態だ。該当する著名人としては、現在は韓国籍を取得した歌手カンナム(日本生まれ)と五輪金メダリストのイ・サンファ夫妻が知られている。
芸能界から一般社会にまで広がる“日韓夫婦”の増加。そこには、かつての“ヨン様ブーム”以降続く日本人女性の韓流への親近感と、韓国男性の日本文化への理解の深まりが交差している。
シム・ヒョンタクやイ・ジフンのようなカップルは、いまの韓国が映し出す“日韓関係の現在地”を象徴しているのかもしれない。
文=スポーツソウル日本版編集部
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