カタール・ワールドカップに挑むサッカー日本代表にとって、ひとつの参考やヒントになるかもしれない試合が韓国で行われる。
サッカー韓国代表は9月23日にコスタリカ代表をホームに迎えて国際Aマッチを行なうのだ。コスタリカ代表はカタール・ワールドカップで日本代表と同じグループに入っている。つまり、韓国代表を通じて間接的にその力量を推し量ることもできるだろう。
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その韓国代表のコスタリカ戦およびカメルーン戦(9月27日)の招集メンバー26名が先ほど発表になった。
今回選ばれた28人のうち、Jリーグからはクォン・ギョンウォン(ガンバ大阪)のみが選出。元Jリーガーとしてはファン・ウィジョ(元ガンバ大阪)のほか、ナ・サンホ(元FC東京)、チョン・ウヨン(元ジュビロ磐田、京都サンガF.C.、ヴィッセル神戸)、キム・ジンス(元アルビレックス新潟)、キム・ヨングォン(元FC東京、大宮アルディージャ、ガンバ大阪)、キム・スンギュ(元ヴィッセル神戸、柏レイソル)が名を連ねた。
また、欧州組ではソン・フンミン(トッテナム)、ファン・ヒチャン(ウォルバーハンプトン)、イ・ジェソン(マインツ)、ファン・インボム(オリンピアコス)、キム・ミンジェ(ナポリ)ら主力が順当に招集されたが、注目すべきはかつて“韓国の若き至宝”として期待を集めたイ・ガンインが代表復帰したことだ。
イ・ガンインの代表復帰は昨年3月に日産スタジアムで行われた日本代表との国際親善試合以来初めて。当時はチームも大敗を喫して何もできなかった。
あれから1年半。今季もマジョルカでプレーするイ・ガンインは現在、ラ・リーガ開幕5試合で1ゴール3アシストを記録し、アシスト数ではリーグ全体首位タイに立つなど、チームの主力として活躍を披露しているが、それが代表復帰への足かがりになったことは間違いないだろう。
韓国代表を率いるパウロ・ベント監督も言っている。
「イ・ガンインに限らずすべての選手たちに対し、パフォーマンスや現在のコンディション、代表が要求するプレーを遂行する能力などを考慮した」
ベント監督はこれまでイ・ガンインの起用には消極的だった理由は“弱点”と指摘されるスピード不足や体力不足、そして物足りない守備意識などが挙げられるが、今季のイ・ガンインは90分をフルに走り切れる体力や、試合終了まで積極的に守備に参加する誠実性も見せている。
『スポーツソウル』サッカー班はその変化のきっかけとして、「過去に日本代表も指揮したハビエル・アギーレ監督が、イ・ガンインに特定のポジションで縛らせない“フリーロール”の役割を与え、その采配が的中している」と分析しており、「ベント監督もそうしたイ・ガンインの変化をその目でチェックしようとしているのかもしれない」という。
ベント監督も言っている。
「マジョルカでイ・ガンインがどのように活用されているのかを見守った。我々もイ・ガンインの特徴をよく理解している。技術や判断力に優れた選手だ。引き続き守備面に課題があり、発展させなければならない部分はあるが、彼がチームにどんな効果をもたらすか期待したい」
9月のAマッチがカタール・ワールドカップに向けた最後のサバイバルとなる。そこでイ・ガンインはその存在をアピールし、最終メンバーに生き残れるか。コスタリカ戦ではこちらのほうにも注目しておきたい。
文=慎 武宏
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