『イカゲーム』や『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』など、世界に通用するドラマを次々と世に送り出している韓国。
ところが最近、本国では『To My Star』『セマンティックエラー』といったBL（ボーイズラブ）作品も話題を集め、そのジャンルの間口を広げている。
韓国でBLドラマの面白さに目覚めたファンが急増したなか、彼らが自国のBLドラマと併せて注目しているのが、日本のBLドラマだ。
日本は韓国よりも非常にBLコンテンツが豊富な、いわばBL先進国。特にドラマは『おっさんずラブ』（テレビ朝日系）や『きのう何食べた？』（テレビ東京系）などヒット作も多い。
そこで最近、韓国の日本のドラマ好き・BL好きの層が集まって交流するコミュニティサイトを覗いてみると、やはり以前にも増して盛り上がりを見せていた。
最も人気が高く、タイトルがよく挙がるドラマは、やはり『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』（テレビ東京系）。
韓国では2021年2月からWatchaで独占配信されており、映画『チェリまほ THE MOVIE ～30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい～』も、2022年7月13日に全国公開。7月に開催された「第26回富川国際ファンタスティック映画祭」でも同時上映された。
韓国のBLドラマファンの中には「このドラマでBLに入門した」という人も少なくない。
「優れた演技力と、繊細に描かれる感情線」のおかげでBL初心者も「拒否感なく見られる」ことが、大きな支持を得た理由。さらには「日本特有のほのぼのした雰囲気がよく出ているし、かわいいと思える部分が多い」「BLだけど、癒し系成長ドラマって感じがする」「主演俳優2人のビジュアルを見るだけでも幸せな気持ちになる」というコメントからも、“入門作”としての人気が見てとれる。
ほかにもおすすめ作品となっているのが、『オールドファッションカップケーキ』（フジテレビ系）だ。
韓国では『チェリまほ』と同様にWatchaで独占配信されており、最近「どうか見てほしい！」と綴る伝道師がやたらと多い。
ドラマを見た人からは「ゆったりとしていて、普通に良いドラマ」「最近見たBLドラマの中で最高級だった」「すべてにおいてやり過ぎないところが好き」「余韻からなかなか抜け出せず…シーズン2ぜひお願いしたい」といった絶賛のコメントが続出。落ち着いた雰囲気と丁寧な演出に多くの人が心動かされたようだ。
7月10日から韓国のケーブル局「チャンネルJ」で放送開始され、Wavveでも配信中の『みなと商事コインランドリー』（テレビ東京系）も、じわじわと人気を集めている。
韓国では「展開がとにかくキュンキュンする」「内容が面白いし、映像も美しい」「初々しい青春ドラマっぽいのに、コミカルなところも多くて良い「1話から見入ってしまった」「年下攻めって、こんなに良いものだったんだ」といった反応が見受けられた。まだ放送中であるだけに、今後の展開に対する反応も気になるところだ。
日韓でBLドラマが量産され続けている今、ファンを取り込む良作がたくさん生まれ、新たな可能性を探っていければと思う。
前へ
次へ
