「生命を奪うより、永久に社会から隔離する方が賢明」実の家族5人を殺害した50代男に、裁判所が無期懲役を言い渡したワケ【韓国】

2025年12月25日 社会 #時事ジャーナル
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韓国で実の両親から配偶者、2人の娘まで家族5人を殺害した50代の男に対し、1審に続き2審でも無期懲役が言い渡された。

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12月24日、法曹界によると、水原(スウォン)高裁・刑事2-1部(キム・ミンギ、キム・ジョンウ、パク・グァンソ判事)は、50代男のイ氏に対する尊属殺害および殺人などの容疑に関する控訴審判決公判で、原審判決を破棄したうえで、量刑は原審と同じ無期懲役を言い渡した。

裁判所は、原審を破棄した理由について「本件の1審判決言い渡し後、被告人の業務上背任罪などの事件判決が確定し、後段併合罪の関係にあるため、原審は破棄されるべきだ」と説明した。

イ氏の犯行の悪質性については、特に強い口調で非難した。「口にすることすらはばかられるほど痛ましい犯行だ」としたうえで、「いくら考えを巡らせても『自分のせいで家族が数十億ウォンの借金を背負い、苦しい生活を送ることになると思って犯行に及んだ』という動機は、到底理解も容認もできない。生計を支えてきた家長であっても、決して許される行為ではない」と厳しく指摘した。

これに先立ち、検察はイ氏に死刑を求刑していた。これについては、2004年以降に死刑が確定した15件の事件の主要な量刑要素を示し、「主に強盗強姦などの重大犯罪と殺人罪が結び付いた事件、または放火や凶器使用など犯行手段が残虐な事件であり、本件とはやや性格が異なる」と述べ、「被告人(イ氏)を重罰に処すべき事情は十分に認められるものの、誰もが納得できるほどの特別な事情が存在すると断定するのは難しい」と判断した。

併せて、「生命を奪うよりも、死刑以外の重い刑を言い渡すことで永久に社会から隔離するほうが賢明だ」と説明。イ氏には「生きているすべての瞬間において、被害者に許しを請い、罪を償い続けなさい」と促した。

韓国国旗
(写真=サーチコリアニュース編集部)

イ氏は今年4月14日夜、自宅である京畿道龍仁市水枝区(キョンギド・ヨンインシ・スジグ)のアパートで、80代の両親、50代の妻、10~20代の娘2人という家族5人に睡眠薬を飲ませた後、順に首を絞めて殺害した容疑が持たれている。

イ氏は犯行後、「皆を殺して自分も死ぬ」という趣旨のメモを残し、翌15日に光州(クァンジュ)広域市のあるオフィステルへ逃走したが、自身を追跡していた警察により検挙された。

住宅建設会社を経営していたイ氏は、光州市一帯で民間アパートの新築分譲事業を進める過程で法的紛争に巻き込まれ、数十億ウォン規模の負債を抱えることになったことから、「家族に経済的な負担をかけたくない」として犯行を計画・実行したものと調べられている。

(記事提供=時事ジャーナル)

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