11月30日に発表された「JC・JK流行語大賞2017」で、「モノ」部門のトップに輝いた「チーズタッカルビ」。今年、日本の若い世代を再び“コリアンタウン”新大久保に引き寄せた、大ヒット韓国料理である。
そもそも「タッカルビ」というのは、韓国・春川(チュンチョン)地方を代表する郷土料理だ。
「タッ」は「鶏」、「カルビ」は「あばら骨」の意味。主に胸やももといった骨まわりの肉と野菜を、甘辛いソースをかけて鉄板の上で炒めるのだが、そこにお餅や麺を加えても美味しい。また、締めには残ったソースとご飯をチャーハン風にして食べるのが一般的な食べ方である。
そんなタッカルビにチーズを絡めた「チーズタッカルビ」が韓国で登場したのは2014年ごろ。
女性を中心にチーズ類が人気を集め、韓国の外食業界で“チーズ”という食材が新たに注目されはじめたころだった。
甘辛いタッカルビにモッツァレラチーズを絡めると、辛さが中和されて辛いものが苦手な人も食べやすくなる。それに加え、韓国料理を“チーズフォンデュ感覚で食べる”というアイデアが相乗効果を生み、流行に敏感な若い女性を中心に人気沸騰。
日本と同じく、ブログやSNSにチーズタッカルビの画像が相次いで投稿されたのはいうまでないだろう。
また、当時人気だったドラマ『ミセン-未生-』で「チーズタッカルビ」を食べるシーンがよく出ており、「ミセンに出たあのメニュー」として一気に知名度を上げた。
それから3年ほど経った今、「チーズタッカルビ」は韓国ですっかり定着している。
既存のタッカルビ専門店では“チーズタッカルビ”というメニューが定番になったし、チーズタッカルビ専門のチェーン店も登場。また、コンビニでは“チーズタッカルビ味”のおにぎりや海苔巻きを見つけるのも難しくない。
今やチーズタッカルビからヒントを得て豚リブや豚足、イカ、イイダコ料理にもチーズを絡めたメニューが登場しているほど。
いずれにせよ、「チーズタッカルビ」が日本でも人気を集めたのは、それなりの魅力があったからだろう。ブームはいつまで続くか、注目したい。
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