日本人の“結婚観”が韓国で関心を集めている。
例えば最近は、1月8日にNHKが発表した「日本人の意識」調査の結果が韓国メディアで多数取り上げられた。
そもそもこの調査は、NHKが昨年6~7月にかけて全国の16歳以上の5400人を対象に個人面接法で実施し、50.9%にあたる2751人から回答を得たもの。
NHKによれば、「必ずしも結婚する必要はない」と答えた人は68%に上り、過去最高値を記録したという。「人は結婚するのが当たり前だ」と答えた人は27%にとどまった。
また、「結婚しても、必ずしも子どもをもたなくてよい」は60%、「結婚したら、子どもをもつのが当たり前だ」は33%を記録したという。
この調査結果に韓国メディアも敏感に反応した。
「日本人の10人中7人は“結婚は必須じゃない”」(『ブリッジ経済』)
「日本の30代“必ずしも結婚する必要ない”が88%…“子ども必要ない”も60%に達し」(『ソウル経済』)
といった見出しが並んでいる。
地上波『SBS』は、「日本人の10人中7人は“必ずしも結婚する必要はない」とヘッドラインを置いて報道。
「日本で結婚の必要性に対する認識が急激に低下していることが明らかになった」と伝えた。
特に目を引いたのは、韓国と比較する報道だ。
例えば通信社『聯合ニュース』は、「NHKのアンケートに応じた10人中7人が結婚しなくてもいいという非婚に肯定的な立場を示した」と伝えながら、2016年11月に韓国育児政策研究所が発表した調査結果を引用して韓国人の結婚観と比較した。
記事は、同研究所の調査結果によれば、15歳以上の韓国人3000人を対象としたアンケートの結果、「結婚しない方がいい」と回答したのは3.2%、「子どもはいなくてもいい」は19.2%に過ぎなかったとして、次のように締めくくっている。
「結婚や出産問題において、韓国は日本よりは深刻ではない状態であるという結果が現れた」
このNHKの調査結果のみならず、日本人の結婚観は韓国で関心を集めることが少なくない。
つい先日も、韓国の保健社会研究院が「青年層の経済的自立と異性交際に対する韓日比較研究」と題した研究結果を発表していた。
韓国メディアが日本人の結婚観に敏感に反応していることには、韓国でも結婚に対する考え方が変わりつつあることも関係しているだろう。
例えば韓国統計庁が昨年11月に発表した『2018年社会調査』によれば、調査に応じた13歳以上の韓国人のなかで、「結婚しなければならない」と答えたのは48.1%と半分以下の割合となっていた。
2010年は64.7%、2014年は56.8%で、減少傾向にあることがわかる。
その背景には、サラリーマンの約45.8%が月収200万ウォン(約20万円)以下で生活しているという韓国社会の世知辛い実態があるともいわれるが、いずれにしても、韓国でも日本と同じく韓国でも“結婚離れ”が進んでいることは間違いないだろう。
だからこそ韓国は、隣国である日本の結婚観に関心を寄せており、「日本よりはマシだ」と胸をなでおろしているわけだ。
ただ、NHKの調査を取り上げたニュースのコメント欄に、「韓国だってもう手遅れだろ」「安月給で一人で暮らした方がいい」「結婚を強要するのはやめよう」「いつもそうだったように、日本は未来の韓国の姿だ」といった声が多数寄せられていることを見ると、韓国の“結婚離れ”は今後も進んでいきそうな気がするが、はたして。
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