日本を訪れた外国人観光客数が2015年、1973万7000人を記録した。その数はついに2000万人台に迫る勢いで、前年比47.1%増という日本政府観光局が統計を取り始めた1964年以降、最大の伸び率となっている。
日本政府観光局は増加の要因を「クルーズ船の寄港増加、航空路線の拡大、燃油サーチャージの値下がりによる航空運賃の低下、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションによる訪日旅行需要の拡大」と分析。また、「円安による割安感の定着、ビザの大幅緩和、消費税免税制度の拡充」も増加の後押しとなったと見ているようだ。
日本を訪れた外国人を見てみると、トップは中国の499万人、次点で韓国の400万人が続く。以下も台湾368万人、香港152万人となっており、東アジアからの訪日観光客が全体の72%を占めた。いかにアジア勢が多いかが伝わってくる。
韓国も日本と傾向は似ている。韓国観光公社の「外来客入国」によると、韓国では2012年に初めて外国人観光客が1000万人台を突破し、2014年は過去最高となる1420万人となった。前年比16.6%の増加だ。訪韓した観光客の数を国籍別に見ると、日本、中国、アメリカ、台湾、タイが多い。その中でも最近韓国に爆発的に増えているのは、中国人だ。
訪韓する中国人は2014年、前年比40%以上増加した610万人。これは日本を訪れる中国人数よりも多い。2010年は187万人と200万人台にも届かなかったが、ここ数年で大幅に韓国を訪れる中国人が急増。韓国の専門家たちは、距離の近さや韓国独自の文化的背景のほかに、“韓流ブーム”をその要因に挙げている。
ちなみに、訪韓中国人の1人当たりの旅行支出は、約2320ドル(約26万7000円)。内訳はショッピングが1400ドルと大半を占めているようだ。飲食のために訪韓することが多い日本人や、歴史遺跡を訪ねることが多いヨーロッパ人とは大きく異なっている。中国人にとっての韓国は“ショッピング天国”といえそうだ。
いずれにせよ、日韓ともに外国人観光客の呼び込みには成功しているといえるだろう。特に大挙押し寄せている中国人の数は、今後も増え続けるという見通しが大半だ。
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