韓国でも高まっているヨガ人気。そのひとつのきっかけとなったのは、済州島(チェジュド)で暮らす歌手イ・ヒョリの日常を捉えたバラエティ番組『ヒョリの民泊』(JTBC)だろう。
イ・ヒョリは韓国で一世を風靡したアイドルで、“韓国の安室奈美恵”、“韓国のブリトリー・スピアーズ”ともいわれたことがある時代のアイコン的存在だ。
そんな彼女は結婚して現在は韓国最南端の島・済州島に在住。大自然に囲まれながら日々ヨガをしてスローライフを送る姿が「韓国の多くの視聴者たちに影響を与えたのかもしれない」と語ったのは、美女ヨガ・インストラクターとして人気のイ・ユジュである。
155cmの小柄な身長にもかかわらず、「黄金比のボディ比率」「ヨガ女神」と騒がれる27歳。今回は、彼女が考える韓国女性の美意識の変化や日本のヨガ人気に関する感想などについて紹介しよう。
―韓国では最近、ヨガやティラピスのインストラクターのメディア露出が増えています。イ・ユジュさんも各種メディアに引っ張りだこですよね。
私の場合、ヨガを教える立場としてずっと悩んでいた部分がありました。ヨガ教室って、1人の講師が大勢の受講生を相手にレッスンしますよね。そうすると受講生のポーズや呼吸が正しいか、一つひとつをくまなくチェックできないときもあるんです。
そういう部分にもどかしさを感じていたところに、『ヘルスTV』というインターネットチャンネルでヨガの動画レッスンをしてみないかと声をかけられました。その他にも、たまにバラエティ番組でヨガを披露したりしているので、たくさんの方が興味を持ってくださっていると思います。
―インスタグラムも積極的に活用されています。
頻繁に連絡が取れない友人に近況を知らせられるのがSNSのメリットですよね。それから自分の考えを共有したり、マーケティングに利用したりもしています。運動されている人のなかには、トレーニングの成果や自分の成長記録として活用する場合もあります。毎日同じ場所で同じ服を着て写真を撮って、体の変化を記録するとか。
―一部の韓国メディアではユジュさんの投稿写真を見て“ポーズ”に焦点を当てて見出しを打ったりもします。それについて、どう思っていますか。
そういう写真は私の一部を切り取ったものにすぎません。本当の私はお転婆娘で、お笑い芸人っぽい性格なんです。女性受講生の方たちにお尻をポンポンと叩かれるくらい(笑)。
ただ、雑誌の取材などではより格好良く美しくポーズをお見せしたいので、少し露出のある衣装で撮影することもあります。そういう姿が強いインパクトを与えるのでしょうか? 私自身も、新しい姿をお見せするのが楽しいので特に嫌だとは思っていません。
―今は美に対する韓国女性の基準が変わっていると感じます。
ええ。以前はただスタイルが細くて、いかにもか弱そうな女性が脚光を浴びたのですが、最近は健康的なスタイルに、外見的にも内面的にも自信とプライドを持った女性が人気を集めています。
女性が社会で活躍するのが当たり前の今の時代。韓国でも女性が働き、男性が家事をする夫婦もいるんですよ。だからこそ女性も健康的で強くならなければいけない。その延長線に、女性たちが体作りを始めるようになった流れもあるのではないでしょうか。
今、私を含めて多くのヨガ・インストラクーたちがメディアで取り上げられていますが、それもそうした流れがあるからだと思います。
―実は日本にも筋肉女子やヨガ美人など、健康的な女性たちが注目を集めています。日本のヨガ人気についてはどんな印象がありますか。
韓国のヨガ市場よりも、日本のほうが発展しているとは聞いています。ヨガを学べる空間や、ヨガに関するアイテムなどのクオリティが韓国よりも高いと。機会があれば日本のヨガ・スタジオにすごく行ってみたいですね。
ヨガ・スタジオを運営する人間として、他の国のヨガ環境を学んで、良い部分を取り入れたいと思っています。日本の素晴らしいヨガ・インストラクターたちとも交流しながら、いろいろな気付きを得て、もっと成長したい気持ちもありますね。
―ヨガではないところで、日本に対する印象はどうですか。
実は中学生の頃、X JAPANが大好きでした(笑)。ロックミュージックを聴きながら魂を癒した時期ですね(笑)。彼らの音楽や人生観などに、私はかなり影響を受けましたよ。
まだ日本の人たちと直接ふれあったことはありませんが、ネットやテレビで見た感じですと、日本の人々は何かにハマると情熱を発揮するというイメージがあります。
―そんな日本の情熱的なヨガ好きを相手に、ぜひレッスンしてみたいと思ったことはありませんか。
そんな機会が訪れることを切実に願っています。実は去年、中国で行われたヨガ・フェスティバルに招待されて、大勢の中国人愛好者たちのレッスンをしたのですが、感激でした。
見ず知らずの人たちが、ヨガという共通言語を通じて交流し、互いに共感し合う喜びを、日本でもぜひ味わってみたいと思います。(了)
文=慎 武宏
*この原稿はヤフーニュース個人に掲載した記事を加筆・修正したものです。
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