日本初のK-POP専門ダンススクール「Dance Studio Cielo」。それを主宰する町田真吾氏によると現在、多くの会員が登録されおり、幅広い層がK-POPダンスを学んでいるという。
また、単にダンスを教えるだけではなく、K-POPカバーダンスイベント「KP SHOW!」にも関わっている。K-POPカバーダンス愛好者たちが数多く参加するこのイベントでは、どんなことが起きているのだろうか。2年前に行ったインタビューの様子を再録する。
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―町田さんは「KP SHOW!」などのイベントにも関わっています。具体的にはどういったイベントなのでしょうか。
「一言でいえばK-POPカバーダンスのお祭りです。スクールの開設当時から、受講生たちが練習の成果を発表する場は必要だと思い、当初は発表会形式をイメージしていました。
ただ発表会も良いのですが、いろいろなカラーが集まったほうがお客様も面白いはず。そこで一般のダンスチームも募集して、ダンスイベントという形になりました」
―K-POPのカバーダンスのイベントは、アメリカやヨーロッパでも盛んだそうですが、「KP SHOW!」はどれくらいの頻度で行われているのですか。
「ライブハウスなどを借りて年に3回実施しており、2019年の2月で20回目を数えました。1回の開催でおおよそ50~60組ほどにご出演いただいています」
―ダンスブームの今、多くのイベントが開催されていますが、K-POPならではの特徴はありますか。
「一般的なダンスイベントと異なるのは、コピーの魅力や美学もあることですね。ダンスのクオリティだけでなく、いかに本人たちに近づけるかを追求するチームもたくさんいらっしゃいます。
振り付けだけではなく、衣装に髪型、さらには憧れのアイドルが出演した特定ステージでの仕草や咳払いまで、忠実に再現する。写真や動画などを見て徹底的に研究しているんです」
―かなり徹底しているんですね(笑)。
「有名なチームになると固定ファンもいらっしゃって、会場まで足を運んで応援してくださいます。本人のファンのお客様であれば、“あの動きは〇△公演での動きだ”と熟知しているので反響も凄い。まるで本物のアイドル・コンサートのような盛り上がりですよ」
―K-POP専門のダンススクールに、K-POPのカバーダンスイベントまで。この10年近く、さまざまなシーンをご覧になられてきたと思いますが、日本だけのK-POPダンスファンの特徴もあるのでしょうか。好みの違いだったり、傾向だったり。
「当然ながら、ほとんどが“K-POPが好き”という共通点があるので、スクールでもイベントでもコミュニティが次々と生まれますよね。レッスンで初めて出会って意気投合したかと思えば、レッスン後にもロビーでお菓子を食べながら“先月のライブに行った” ですとか、談笑している姿をよく見かけます。
普通のダンススクールでは、なかなかすぐにそうはいきません。友達がすぐできるから、レッスンもより楽しい時間になりますし、気の合う受講生同士で韓国に旅行に行ったという話もよく聞きますから。こちらも嬉しくなります」
そう言いながら嬉しそうな笑顔を見せた町田さん。ただ、K-POPダンスブームは今、数年前には考えることもできなかった新しい動きもあるという。それについては次回に紹介したい。
文=慎 武宏
*この原稿はヤフーニュース個人に掲載した記事を加筆・修正したものです。
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