キャッシュレス化が進む韓国だが、「キャッシュレス決済“のみ”」でトラブルが続々

2022年06月01日 ライフ
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いまだ現金至上主義の人は少なくないが、キャッシュレス決済への移行は、ここ数年で飛躍的に進んだ。そうした動きはお隣・韓国も同様だ。

5月25日、韓国銀行は昨年10~11月までアンケート機関に依頼し、全国満19歳以上の3536人を対象にした「2021年支払決済調査資料」を公表。調査機関の1カ月間の決済に利用した手段(重複可)を開示した。

その結果、支給手段としては「現金」が96.6%と最も多く、「クレジットカード」(82.6%)、「デビットカード」(56.0%)、「口座振替」(40.9%)、「モバイルカード」(24.0%)、「プリペイドカード」「電子マネー」(9.2%)の順となった。

ちなみに、高額決済時の場合は「クレジットカード」が最も多く、「現金」は利用件数が圧倒的に多かったことからの結果である。

またアンケート回答者の67.8%が、今後も「現金」を使用するケースに変化はないと答えた。

同調査では財布内にいくら現金があるかも調査され、平均「5万9000ウォン(約5900円)」ということもわかった。これは2019年の5万3000ウォン(約5300円)より増えた結果だ。

なお20~50代の回答者の30%以上が今後「現金」使用量が減少すると回答しているが、年齢が高くなるほど現金使用量に変化がないと見ている。やはり高齢者ほど、キャッシュレス決済に対して忌避感があるようだ。

実際にソウル市では今年から「キャッシュレス決済のみのバス」路線が18本に拡大され、支払い手段がなくてバスに乗車できないというトラブルが頻出している。

写真はイメージ

ソウル市が「キャッシュレスバス」事業を施行しているのは、市内バス内の現金利用率が著しく低いからであり、ソウル市バス政策チームが提供した統計によると、ソウル市内バスの現金利用乗客比率は2010年の5%から2020年0.8%まで減少していて、管理費用を抑えるためだと明かしている。

また、バス利用だけではなく、街中のカフェなどでもキャッシュレス決済のみという店が増えていて、「利用できない」「支払いができない」という人も相次いでいる。現金利用者も納得できるような対策が求められる状況だ。

近年ではキャッシュレス決済が主流になりつつあるが、現金派を切り捨てるようなやり方は不和を生む可能性を含んでいる。対策もしっかりしてほしいものだ。

(文=サーチコリアニュース編集部)

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