このランチフレーションは苦学生の台所事情にも大きな影響を与えており、空腹に苦しむ若者も多く生まれている。
そうした状況が続くなか、見かねた一部の大学や自治体では、学生を対象にした朝ご飯の提供サービスとして「1000ウォン(約100円)の朝ご飯」事業を実施した。
これは、朝食の欠食率が高い大学生に良質な一食を提供しながら、同時に朝食の習慣化と米消費文化拡散のために政府が施行中の事業だ。学生が1000ウォンを出せば政府が3000ウォン(約300円/1食基準)を支援し、残りは大学自体予算で充当する方式で運営される。
この流れは全国的に広がり、政府支援に加えて予算を追加支援するという自治団体も増え、お財布事情が苦しい学生たちにとって力強い支援となっている。
実際、韓国農林畜産食品部が28校、5437人を対象に実施したアンケート調査では、「1000ウォン事業が続いてほしい」という回答者の割合が驚異の98.7%に達している。
もっとも、すべての大学で「1000ウォンの朝ご飯」事業が行なわれているわけではない。むしろ大半の大学が同事業を行えずにいるため、学生たちの間からは不満も漏れ出ている。なかには「明確な差別だ」と声を荒げる学生もいるという。
こうした状況に、韓国国内では「なぜ私の税金で朝ご飯を提供するのか」「一部の大学だけなのは不平等だ。やるなら一律にすべきだろう」「試みはすばらしいが、賞賛すればするほど、実施されていない大学の学生たちの神経を逆なでしている」「学生だけではなく、大人にも提供して欲しい」など、多くの意見が寄せられていた。
「1000ウォンの朝ご飯」事業は確かに素晴らしい試みだとは思うが、実施されていない大学の学生たちの気持ちを考えると複雑だ。
予算も無限ではないだけに、すべての学生が納得する方針に持って行けることを願うばかりだ。
(文=サーチコリアニュース編集部)