「日本の真摯な謝罪を受け歴史の真実を正す」慰安婦被害者キル・ウォノクさんが他界…生存者7人に

2025年02月17日 社会 #歴史問題
このエントリーをはてなブックマークに追加

慰安婦被害者として知られるキル・ウォノクさんがこの世を去った。享年97歳。

【注目】「慰安婦は自発的に売春」韓国元教授、無罪

韓国女性家族部のシン・ヨンスク長官職務代行は2月16日、同日のキル・ウォノクさんの訃報を知らせ、「キル・ウォノクさんは日本軍慰安婦被害の事実を国内外に知らせるため、積極的に活動された方だった」と振り返った。

さらに「また一人、日本軍慰安婦被害者を見送ることになり、非常に胸が痛む。生前、多くの苦難を経験された分、安らかにお休みいただきたい」と哀悼の意を表した。

慰安婦被害者の生存者は7人に

翌2月17日、最大野党「共に民主党」が声明を発表した。

同党人権委員会は声明文を通じて冥福を祈り、「幼い頃に満州へ連行され、悲惨な性奴隷生活を強いられたキル・ウォノクさんは、生涯をかけて日本軍性奴隷被害者の名誉と尊厳の回復のために尽力された」と述べた。

そして「世界各地を巡り、日本軍性奴隷問題を知らせ、人権回復活動に情熱を注いだキルさんの姿を、私たちは決して忘れない」と強調し、「生前の願いであった日本政府の真摯な謝罪を受け、歴史の真実を正すことができるよう、残された者たちがその意思を継いでいく」と誓った。

キル・ウォノクさん
(写真=YONHAP NEWS/アフロ)キル・ウォノクさん​​​​​​

慰安婦問題に取り組む市民団体「正義記憶連帯」によると、1928年に平安北道で生まれたキル・ウォノクさんは、1940年に「工場に就職させてあげる」という言葉に騙され、中国ハルビンの慰安所に連れて行かれたという。

当時、獄中にいた父を救い出す資金を用意するため、家族にも知らせずに旅立たなければならなかった。このとき、キル・ウォノクさんの年齢は13歳だった。

それから50年以上が過ぎた1998年、70歳を超えた頃にテレビで水曜集会の様子を見て、慰安婦被害者として登録し、問題解決のために継続的に活動した。

キル・ウォノクさんの死去により、慰安婦被害者の生存者は7人に減った。韓国政府に登録された被害者は計240人で、そのうち233人がすでに他界している。

生存者の居住地は、ソウル、大邱、慶尚北道、慶尚南道に各1人、京畿道に3人となっており、年齢別では90~95歳が2人、96歳以上が5人で、平均年齢は95.7歳だ。

韓国のオンライン上では「安らかに天国へ旅立たれますようお祈りいたします」「謹んでご冥福をお祈りします」「どうか良い場所で幸せにお過ごしください」と、追悼のコメントが続いている。

(文=サーチコリアニュース編集部O)

「犬にも劣る人間ではないか?」慰安婦被害者への後援金を横領した韓国元議員、有罪確定

「慰安婦は根拠がない」という日本の発言にも無対応の韓国…“慰安婦問題”は終わったのか

慰安婦を「自発的な売春婦」と著書で表現した韓国の名誉教授、逆転勝訴…なぜ書いたのか

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

デイリーランキングRANKING

世論調査Public Opinion

注目リサーチFeatured Research