韓国でも高い人気を誇るアサヒビールが値上げすることがわかり、韓国国内で興味深い反応が見られている。
単なる値上げへの不満だけでなく、その“時期”にも注目が集まっているのだ。
韓国のビール業界関係者によると、アサヒビールは3月から缶ビールなどの価格(コンビニ販売価格基準)を8~20%値上げする予定だ。
主な例として、アサヒスーパードライの350ml缶は、3500ウォン(約366円)から4000ウォン(約419円)へと14.3%の値上げとなる。500ml缶は4500ウォン(約471円)から4900ウォン(約513円)で8.9%の値上げだ。
また、アサヒスーパードライ生ジョッキ缶(340ml)も4500ウォン(約471円)から4900ウォン(約513円)へ8.9%の値上げ、アサヒスーパードライ瓶ビール(640ml)は4500ウォン(約471円)から5400ウォン(約565円)と20%の値上げとなるという。
値上げを喜ぶ消費者はいないが、韓国では様々な食品が次々と値上げされているだけに、値上げ自体はそれほど珍しい話ではない。
日本ビールは現在、韓国で人気を完全に回復している。
韓国関税庁の輸出入貿易統計によると、2024年の日本ビールの輸入量は8万4060トンで、前年に比べ25.7%増加した。輸入額も6745万ドル(約101億円)で、21.5%増加している。
日本ビールは2018年に輸入量(8万6676トン)と輸入額(7830万ドル)の両方でピークを迎えたが、2019年の日本政府の対韓輸出規制措置を受け、日本製品の不買運動が広がり、2020年の輸入額は567万ドルと10分の1以下にまで減少した。
しかし時間とともに、「ノー・ジャパン」の雰囲気は消え、新型コロナが落ち着くと日本への旅行者が増えたことで、現在は韓国国内で日本ビールの需要が高まっている。
回復基調にある日本ビール市場に、今回の値上げがどのような影響を及ぼすのか注目される。しかし韓国メディアのなかには、「韓国を無視?それとも無神経?」といった論調で、このタイミングに疑問を呈する報道もあった。
というのも、値上げ開始日が3月1日、韓国の「三・一節」にあたるからだ。
「三・一節」は、日本統治下の1919年3月1日、韓国の独立を求める大規模な抗議運動「三・一運動」が起きたことに由来する。韓国にとっては、独立運動の象徴的な記念日だ。
そんな日に日本企業が値上げを行うことに対し、一部の韓国メディアが「偶然にしてはタイミングが悪すぎる」と複雑な視線を向けているわけだ。
韓国のオンライン上では、「三・一節だから日本は嫌だが、日本ビールは飲みたい」「もし三・一節に合わせて価格を半額にしていたとしても、結局批判されたはず。ただの言いがかりだ」「高いなら飲まなければいい。スーパーには他のビールが山ほどある」といった意見が寄せられた。
今回の値上げが、日本ビールの韓国市場での売れ行きにどのような影響を与えるのか、注目される。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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