韓国最大野党「共に民主党」李在明代表の妻キム・ヘギョン、控訴審…初公判で弁護側と検察が対立

2025年03月18日 社会 #時事ジャーナル
このエントリーをはてなブックマークに追加

公職選挙法違反の疑いで罰金刑を言い渡された最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表の妻、キム・ヘギョン氏の控訴審初公判で、弁護側と検察が対立した。

【注目】李在明代表に暗殺計画?警察が身辺保護開始

3月18日、水原(スウォン)高等裁判所・刑事3部(キム・ジョンギ高裁判事)の審理で開かれたキム氏の公職選挙法違反に関する控訴審初公判で、キム氏側と検察はそれぞれ控訴の理由を説明した。

この日、キム氏側の弁護人であるキム・チルジュン弁護士は「控訴理由は3つある」とし、「公訴時効の成立、法理誤解および事実誤認、量刑の不当性」と述べた。

裁判長がキム弁護士に「公訴権の濫用を主張する根拠は何か」と問うと、キム弁護士は「公訴時効を厳格に適用しなければ、公訴権の濫用につながる可能性があるという趣旨であり、それに基づいて棄却を求めるのではなく、公訴時効の成立について厳格に解釈すべきだという趣旨だ」と説明した。

先立って検察は、この事件の共犯であり、キム氏の私的な秘書とされる元京畿道庁の別定職公務員、ペ氏を公職選挙法の公訴時効満了前日の2022年9月8日に起訴していた。

その後、キム氏の公職選挙法違反に関する公訴時効が停止され、検察は補完捜査を経て、2024年2月14日にキム氏を在宅起訴した。

キム・ヘギョン氏(左)と李在明代表
(写真=YONHAP NEWS/アフロ)キム・ヘギョン氏(左)と李在明代表

これについてキム氏側は、共犯関係にあるペ氏とキム氏の起訴時期が異なることを指摘し、公訴権の濫用に問題があると主張した。

これに対し、検察は「公訴権の濫用とは、検察が恣意的に公訴権を行使し、被告人に実質的な不利益を与え、少なくとも未必的に意図を持っている場合に認められるというのが最高裁の判例だ」と反論した。

さらに「ペ氏を先に起訴した時点で、被告が自白していれば当然ながら同時に起訴していたはずだが、互いに否認していた」と述べた。

また、「キム氏を捜査せずに起訴することこそが不十分な捜査だ」とし、「検察は補完捜査を進め、その過程でペ氏に対する第1審の判決が出ており、京畿道法人カード不正使用事件の捜査も行われた。検察は職務を全うした」と強調した。

検察は、キム氏側弁護人の控訴理由書についても指摘し、「まるで検察が本件に関連して法人カードの使用先136カ所を押収捜索したかのように、第1審に続き控訴審でも繰り返し記載されているが、これは警察が押収捜索を行ったものであり、検察はそのようなことはしていない」と反論した。

また、「控訴審の裁判部が記録を詳細に確認していなければ、まるで検察がその程度まで押収捜索を行い、公訴権を濫用したかのように誤認される可能性がある。明白な虚偽の事実をなぜ記載するのか、その理由を説明してほしい」と批判した。

これに対し、裁判部は「意見書を提出すれば検討する」と述べ、この日の公判手続きを終了した。

検察は第1審でキム氏に対し、罰金300万ウォン(約31万円)を求刑していた。

この日、キム氏側は第1審の裁判部が本件公訴事実の前後である2021年7~8月のキム氏の食事会に関する、ある飲食店のPOS(決済端末)記録に関する事実照会申請と、キム氏との共謀関係が認められたペ氏の京畿道での業務などを説明できる証人1~2人を追加で申請したいとの意向を示した。

これに対して検察は、事実照会(文書提出要求)申請については認めるものの、追加の証人尋問は不要だとして反対した。

裁判部はキム氏側弁護人の求める事実照会申請を認め、証人申請については今後提出される申請書の内容を検討した上で判断することとした。

また、3月31日にもう一度審理を開き、証人採用の可否を決定し、4月14日に本件の弁論を終結する予定だ。

キム氏は当時、京畿道知事だった李在明代表が、党内の大統領選候補の予備選挙に出馬を表明した後、2021年8月2日にソウルのある飲食店で、元・現職国会議員の配偶者3人と自身の随行員および運転手など3人に対し、10万4000ウォン(約1万1000円)相当の食事を提供した容疑で、2024年2月14日に起訴された。

キム氏側は「ペ氏と共謀した事実はなく、食事代が京畿道の法人カードで決済されたこともまったく知らなかった」と容疑を否認していた。

しかし第1審は2024年11月14日、キム氏に罰金150万ウォン(約15万5000円)を言い渡した。第1審では「ペ氏が被告の黙認または容認のもとで寄付行為を行い、これは被告との間で逐次的かつ黙示的な意思結合があったと判断される」との判断を示した。

キム氏側と検察の双方が第1審判決を不服として控訴している。

(記事提供=時事ジャーナル)

多くの裁判を抱える「被告人」が大統領候補に?李在明、“司法リスク”が深刻化

日本を「地獄」と叩いた韓国歌手、日本公演へ…その“二枚舌”を意外な人物が痛烈批判

「人生そのものが詐欺のようだ」論文の盗作で…韓国大統領夫人が窮地に

前へ

1 / 1

次へ

RELATION関連記事

デイリーランキングRANKING

世論調査Public Opinion

注目リサーチFeatured Research