無差別殺人事件で娘を失った父親が、被疑者イ・ジヒョン（34）に対する厳罰を求めている。
3月19日、オンラインコミュニティなどによると、被害者Aさんの父Bさんは、16日から「舒川（ソチョン）無差別殺人事件の加害者に対する厳罰を求める嘆願書」をオンライン上で共有し、ネットユーザーに署名への参加を呼びかけている。
加害者イ・ジヒョンに法定最高刑を求める内容であり、現在、多くのコミュニティに広がっている。
この事件が起きたのは、3月2日だ。同日の21時45分ごろ、イ・ジヒョンが忠清南道・舒川郡の道路脇で、散歩中だった40代女性Aさんを刃物で刺し、殺害した後、逃走した容疑を受けている。
翌日、自宅で逮捕されたイ・ジヒョンは、警察の取り調べに対し、「最近詐欺に遭い、大金を失った。世間が自分を助けてくれず、つらかった」などと述べ、「衝動的な犯行だった」と主張した。
その後、殺人の容疑で拘束されたイ・ジヒョンは3月11日、大田（テジョン）地方検察庁・洪城（ホンソン）支庁に送致されている。
亡くなった40代女性の父親であるBさんは、嘆願書で「平凡な会社員として、誰よりも家族を大切にし、懸命に生きてきた私の子どもが、見ず知らずの加害者（イ・ジヒョン）によって無惨に命を奪われた」と述べ、「二度と子どもと共に過ごした幸せな日々に戻ることができない現実を受け入れられない。毎日が死と苦痛の連続だ」と悲痛な心情を吐露した。
また、Bさんは「知的障害」や「突発的な犯行」とするイ・ジヒョンの主張に対し、「彼の犯行は極めて計画的だった」と強調。犯行の数日前から毎日1時間以上現場を徘徊し、標的を物色していたとし、被害者が現れると、あらかじめ準備していた凶器を使い、顔や首、腹部など数十カ所を執拗に刺したと述べた。
遺体は通行人や車両に発見されないよう散策路の外に遺棄し、道端にあった古い毛布で覆ったという。Aさんの携帯電話を道路の向かい側にある排水溝に捨て、行方をわからなくしたとも指摘した。
Bさんは「イ・ジヒョンは事件現場に約1時間留まり、まるで被害者の死を最後まで確認するかのように行動し、通行人に発見されないかを見張っていた」と述べ、「現場に防犯カメラがないことも、彼の計画的犯行を裏付ける」と指摘した。
さらに検察と裁判所に対し、「二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、厳罰を下すことを切にお願いする」と訴えた。また、「私たち家族の人生は苦痛の連続で、今後どのように生きていけばよいのか希望すら持てない。命の価値を理解しない冷酷な加害者には、無期懲役以上の厳罰こそが、私たち家族にとって唯一の慰めとなる」と嘆願した。
Bさんの嘆願書には、韓国のオンライン上で支持の声が広がっている。
「どうか厳しく罰してください」「無差別殺人を犯したら、一生強制労働か無期懲役、さもなければ死刑にしろ。なぜ無差別殺人犯に反省や弁解の機会を与えるのか」「数十カ所も刺した？こんな人間が身近にどれほどいるのかを考えるだけで恐ろしい。税金で生かす必要がない」といった厳しい意見が相次いだ。
はたしてBさんの願いは届くのか。今後のイ・ジヒョンの裁判が注目される。
（文＝サーチコリアニュース編集部O）
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