韓国で、カラオケ店に訪れた50代女性を殺害し、遺体を遺棄したとして起訴された30代の男に、重い刑罰が言い渡された。
仁川(インチョン)地裁・富川(プチョン)支院の刑事1部(ヨ・ハンジュ裁判長)は6月25日、殺人・窃盗・死体遺棄などの罪で起訴されたカラオケ店従業員のAに対し、懲役30年の判決を言い渡した。また、刑の終了後10年間、位置追跡用の電子装置(いわゆる電子足輪)の装着も命じた。
裁判所は「被告は被害者を殺害したあと、遺体を遺棄する場所を探す間にもカラオケ店やマッサージ店に立ち寄っており、犯行の性質は極めて悪質」と指摘。「被告が主張するような“突発的な犯行”とは見なしがたい」と断じた。
さらに、「被告は被害者に回復不可能な重大な害を加えた」とし、「被害者が味わったであろう精神的苦痛も甚大だったはず」と述べた。
そのうえで、「被告は反省文を提出しただけで、遺族のために何ら具体的な努力をしていない」と量刑の理由を説明した。
検察は5月12日の論告求刑公判で、無期懲役を求刑していた。
Aは2月13日午前7時ごろ、自身が勤務する富川市内のカラオケ店で50代の女性Bを殺害。翌日、仁川(インチョン)市西区の山中にあるごみ集積所に遺体を遺棄した疑いが持たれている。
検察の調べによると、Aは犯行中にBが身に着けていたブレスレット1個、指輪2個、クレジットカード1枚を奪い、そのカードを使ってガソリンやタバコなどを9回にわたり購入。被害総額は126万ウォン(約13万円)に上ったという。
また、Aは遺体を遺棄するまでの間、車の後部座席にBの遺体を乗せたまま移動していたことも確認された。
警察は、Bの家族からの失踪届を受けた翌日の2月14日午後10時ごろ、ソウル・冠岳(クァナク)区新林洞(シンリムドン)でAを緊急逮捕した。
その後の捜査で、AとBは犯行当日に初めて出会っていたことが判明。カラオケ店で一緒に酒を飲んでいた際、Bの発言に腹を立てたAが、ビール瓶や素手で顔を殴打し、首を絞めて殺害したとされている。
なおAは、本件とは別に、昨年4月から9月にかけて元妻に対して1ウォン(約0.1円)を何度も送金しつつ、「話がしたい」とメッセージを繰り返し送ったストーキング行為で起訴され、仁川地裁で懲役6カ月の判決を受けていたことも明らかになっている。
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