大統領による非常戒厳令と即座の解除によって韓国が混乱を極めているなかで、地方議会の議員が日本に出張していたことが発覚し、議論を呼んでいる。
慶尚南道・宜寧(ウィリョン)郡議会によると、キム・ギュチャン議長をはじめとする郡議員10人と議会事務局職員6人の計16人が、12月9日に日本へと出国した。
彼らは日本の成田、横浜、新宿、銀座、大阪、関西などを訪し、12月13日に帰国する予定だという。4泊5日の日本出張だ。
宜寧郡議会は「海外先進国の医療福祉、文化観光、災害対応、都市再生分野における制度や施策の比較視察を通じ、見聞と視野を広げ、多角的な政策提案を地域発展と議会活動に積極的に活用する」という名目で、公務として国外出張に行くとの立場を示している。
ただ、現在は非常戒厳の余波で、政府・国会をはじめ、地方政府や地方議会も“非常体制”を取っている状況だ。
実際に、慶尚南道議会はオーストラリアやシンガポールなどへの海外出張を全面的に取りやめている。また、全羅南道議会や光州市議会も12月に予定されていた海外出張をすべてキャンセルしたと伝えられている。
そのような状況下で強行された宜寧郡議会の日本出張に対して、批判の声が上がっている。
とある住民は、郡の公式ホームページに「このような状況で国民は予定されていた約束もキャンセルして国を心配しているのに、あの人たちには資格がない」と書き、「今回、日本に旅行に行った郡議会議員たちの旅券を抹消するよう請願する」と求めた。
また地域メディアも、一部の住民が「宜寧郡には海がないのに、人工島や臨海防災公園をなぜ視察するのか理解できない」「宜寧郡民として恥ずかしい」といった反応を示していると伝えた。
ちなみに、今回の日本出張の費用は、議員1人当たり280万ウォン(約29万6000円)、計2800万ウォン(約296万円)に上る。このうち2326万ウォンは議会の予算で賄われ、残りの474万ウォンは、議員10人が1人当たり約47万ウォン(約5万円)を負担したという。
宜寧郡議員の日本出張について、韓国のオンライン上では「市・郡・区議会の議員も弾劾しろ」「帰ってくるな!」「地方議会の議員なんて全部なくしてしまえ」「国が小さいくせに、地方自治だの地方議会だの地方議員だのを作り出して無駄なことをしている」といった、厳しい批判のコメントが相次いで寄せられている。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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