大統領選挙が迫っている韓国。そんななか、“2強”の一角を占める保守系最大野党「国民の力」のユン・ソギョル候補に、女性嫌悪ではないかとの指摘が飛んでいる。
【注目】ネットから現実世界へ…韓国社会に蔓延する“女性嫌悪”の正体
事の発端は、ユン・ソギョル候補の“公約集”だ。2月14日に発表された司法分野の改革公約の報道参考資料に、こんな一文があった。
「警察官が“オットケ”と言いながら事件現場で犯罪から顔を背けたという非難もあった」
この「オットケ」という単語が問題視された。というのも、この言葉は本来、「どうしよう」という意味なのだが、ここで書かれているのはスペルが違っており、ネットスラングだ。オンライン上で「オットケ」は、主に女性が緊急な状況で「どうしよう、どうしよう」と繰り返すだけで何も対処をしない様を嘲笑するときに使用する単語なのだ。
そのため、そんな女性嫌悪のネットスラングを公約の資料に使用したユン・ソギョル候補に厳しい批判が続いた。
まず、大統領選の最大のライバルである与党「共に民主党」は、「嫌悪の扇動が度を超えている」と強く非難した。定例ブリーフィングで「女性嫌悪の表現が堂々と使われた」とし、「支持率が落ちたからといって、再びジェンダー葛藤に便乗する戦略なのか」と指摘した。
また、「正義党」は論評を出し、「(オットケという表現は)女性はもちろん、男性警察官の献身まで落としてしまっている。一人に責任を転嫁して過ぎ去ろうとする問題ではない」と述べた。
当然ながらユン・ソギョル側は、平謝りだ。「昨日発表した司法改革の報道参考資料のうち、“オットケ”という単語が含まれることになり、謝罪を申し上げる。即刻削除し、責任者を解職した」と伝えた。
振り返れば、2017年に文在寅(ムン・ジェイン)大統領候補(当時)が、「(同性愛が)好きではない」と発言して問題視されたりした。それでも文在寅は大統領になったが、ユン・ソギョル候補はどうか。
男女差別やLGBTへの関心が高まっている時代であるだけに、今後の支持率に注目したい。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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