韓国国債が「先進国」の仲間入りを果たし、関心は韓国の証券市場に向けられている。
世界国債指数(WGBI)への編入による期待効果として、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)の「先進国指数」への編入の可能性が取り上げられている。
韓国の金融市場がWGBIに続き、MSCI先進国指数への編入にも成功すれば、名実ともにグローバル市場へと成長するだろうという評価だ。
しかし状況は楽観できない。
韓国の証券市場は依然として「新興国」の地位にとどまっている。韓国は今年6月、MSCI先進国指数への編入を目指したが失敗した。来年の審査に通過したとしても、実際の編入までには少なくとも2年はかかる。
当局は韓国金融市場の先進化に向けた「バリューアップ」プログラムを積極的に運営しているが、反応は芳しくないという評価を受けている。
10月10日、金融投資業界によると、FTSE(フィナンシャル・タイムズ・ストック・エクスチェンジ)ラッセルは、韓国国債を来年11月からWGBIに編入する。
FTSEラッセルはMSCIと並ぶ2大グローバル指数提供企業で、主にヨーロッパ系ファンドがFTSE指数を、アメリカ系ファンドがMSCI指数を追従している。FTSEラッセルのWGBI追従資金は2兆5000億~3兆ドル(約372兆~447兆円)に達する。今月時点で、韓国のWGBI内での割合は、編入された26カ国中9位(2.22%)だ。
この編入により、韓国の債券市場は先進国の仲間入りを果たしたとの評価を受けている。
韓国企画財政部のチェ・サンモク長官は記者会見を開き、「WGBIを追従する安定的な外国人投資資金の流入により、短期債から長期債まで全体的に金利引き下げ効果が期待される」とその効果を説明した。当局はWGBI編入により、最大90兆ウォン(約9937億円)の外国人投資を誘致できると見込んでいる。
しかし業界では、「本当のゲーム」は韓国証券市場のMSCI先進国指数への編入だとしている。MSCI先進国指数への編入は、金融市場の先進化、およびグローバル化の「象徴」とされる。MSCIの追従資金は16兆ドル(約2386兆円)と推定されているためだ。
現在、韓国市場は規模の面ではMSCI先進国指数に入る条件を満たしている。取引所によると、2022年基準で韓国証券市場の時価総額は2兆2000億ドル(約328兆円)で、世界11位に位置している。
当局も努力を続けており、バリューアッププログラムの一環として、外国為替市場の開場時間延長、英語での情報開示の活性化、配当手続きの改善などの措置を講じてきた。
しかし、MSCIのハードルを越えるには至らなかった。
そもそもMSCI指数は「先進国指数」と「新興国指数」などで構成されているが、韓国は1992年から新興国指数にとどまっている。2008年には先進国への昇格が可能な候補国である「観察対象国」に登録されたが、2014年以降は観察対象国からも除外された。
今年も候補国に選ばれず、韓国証券市場の先進国指数への編入挑戦は、次回の機会である2025年6月に持ち越された。来年、候補国に入って資格を認められれば、2026年6月に編入の可否が発表され、2027年6月に実際の編入が行われる見通しだ。
編入が見送られた理由としては、「空売り禁止」が挙げられた。MSCIは6月に「最近の韓国証券市場のアクセス改善措置を認め、歓迎する」としながらも、「空売り全面禁止措置は一時的なものであると予想されるが、市場規則の突然の変更は望ましくない」と発表した。
空売り禁止措置は、FTSEラッセルも指摘している部分だ。FTSEラッセルは2009年から韓国証券市場を先進国指数に分類しているが、今回の定期分類では一種の「警告」を発した。FTSEラッセルは「空売り再開という目標が迅速に達成されない場合、韓国証券市場の分類に関して追加の措置を検討する可能性がある」と述べた。
2023年11月に電撃的に禁止された空売りは、制度改善を経て、2025年3月30日以降に再開される予定だ。チェ・サンモク長官は前日、「空売り再開に関しては、金融委員会や金融監督院と約束した条件が前提となれば、予定通り実施する」と述べた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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