北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が韓国を「敵国」と称し、「韓国が主権を侵害すれば、物理力をいかなる条件にも縛られることなく、ためらわずに行使する」と脅威を与えた。
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これを報じた朝鮮中央通信は、金委員長が「ソウル作戦地図」を広げて見つめている写真まで同時に公開した。
朝鮮中央通信が10月18日に報じたところによると、金委員長は10月17日に人民軍第2軍団指揮部を訪問した。彼は指揮所で軍団長から敵の動向について報告を受け、戦闘待機態勢に移行した管轄旅団の準備状態を点検した後、軍事行動計画を含む重要文書を検討したという。
これに先立って人民軍総参謀部は10月13日、国境線付近の砲兵連合部隊や重要な火力任務を与えられた部隊に対し、完全射撃の準備態勢を指示した。韓国の無人機が平壌(ピョンヤン)上空に侵入し、主権を侵害したと主張しながらだ。
この日、朝鮮中央通信が公開した写真のなかで金委員長は、大型の地図を机上に広げて何かを指している。地図の上部にはぼかしがかかっているが、「ソウル」という文字が確認できる。これにより、有事の際に第2軍団がソウルを攻撃する計画が議論されたと推測される。
また、大型テレビ画面に映し出された朝鮮半島の地図には、非武装地帯(DMZ)に似た場所に青い線が引かれている部分があり、注目されている。
金委員長はこの場で「米韓同盟の性格変異」や「敵の侵略的性格の軍事行動」を理由に、「核抑止力強化」が重要で正当であるとの主張を繰り返した。彼が主張する「米韓同盟の性格変異」の根拠は、韓国とアメリカの軍事同盟が「核同盟」の性格を帯びているという考えに基づいている。
彼は2日前に行われた京義線・東海線の南北連結陸路の爆破が「単なる物理的な閉鎖だけを意味するものではない」とも述べた。南北の陸路を完全に遮断した理由について「世紀を越えて続いてきたソウルとの悪縁を断ち切り、無駄な同族意識と統一という非現実的な認識をきれいに捨て去るためだった」と説明した。
さらに「今後、徹底した敵国である韓国から我々の主権が侵害された際には、物理力がいかなる条件にも拘束されることなく、ためらわずに使用されることを知らせる最後の宣告だ」と述べ、「もし我々の攻撃力が使用される場合、それは同族ではなく、敵国に向けた合法的な報復行動となる」と強調した。
そして「敵を抑え、制圧できる強力な力によって守られる平和だけが信頼でき、安全で確固たる平和である」と述べ、そのために軍が強くなる必要性を再度強調した。
なお、この日の金委員長の訪問には、党中央軍事委員会副委員長の朴正天や国防相の努光鉄が同行し、人民軍総参謀長の李永吉や大連合部隊長などの部隊指揮官が出迎えた。また、金委員長の妹である金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長が会議場の外で待機している姿も写真に収められた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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