尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾審判が認容され、早期に大統領選挙が行われるという仮定のもと、政権交代を望む世論が高まっているという世論調査結果が出た。
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4月1日、世論調査機関リアルメーターが『エネルギー経済新聞』の依頼で、3月26日から28日にかけて全国18歳以上の有権者1510人を対象に実施した政党支持率調査(信頼水準95%、誤差範囲±2.5ポイント)の結果を発表した。
発表によると、次期大統領選でどの勢力に政権を任せたいかという質問に対し、「野党による政権交代」が57.1%、「与党による政権延長」が37.8%、「わからない」が5.1%と回答された。
「野党による政権交代」と「与党による政権延長」の差は19.3%pと前週よりさらに開き、5週連続で誤差範囲外から「政権交代を求める世論」が優勢となっている。前週比で「政権交代論」は3.2%p上昇し、「政権延長論」は2.6%p下落した。
中道派では、政権延長(28.9%)を政権交代(67.0%)が2倍以上も上回った。中道派の内部でも、前週と比べて政権交代の意見は7.0%p上昇し、政権延長の意見は7.4%p下落した。
理念性向別では、保守派の71.8%が政権延長、進歩派の86.7%が政権交代を支持している。
「オピニオンズ」のユン・ヒウン代表はMBCラジオのインタビューで「世論調査では中道派の意見が重要だ。最近、中道派が進歩派の意見に同調する流れが見られる」と分析した。
続けて、「中道派は一つのまとまった集団ではないため、“ただ一つ”という理由があるわけではないが、不確実性への拒否感や、それが生活に影響を及ぼすことへの不安があるようだ」とし、「最近、判決が遅延するなかでそうした現象が増幅され、中道派の民心に影響を与えたと見られる」と語った。
このような世論の流れの背景には、弾劾賛否に対する民意の「強度の差」があるとの分析も出ている。弾劾反対を求める声も一定数いるが、その“強度”さと比べて、尹大統領の弾劾を求める側の要求により強固な結束と決意が込められているという見方だ。
日刊紙『中央日報』の元論説委員キム・ジン氏はCBSラジオのインタビューで、「弾劾反対勢力と弾劾要求勢力の決意を比較したとき、民度や民意が違う」と述べた。
彼は「自分の番組やユーチューブのコメントを見ると、弾劾に抵抗する勢力、極右勢力の批判は『共に民主党のイ・ジェミョン代表の執権を防がなければならない。大統領がその場にいなければならないのではないか』『なぜ弾劾ばかりするのか』といった観念的な批判が多い」と説明した。
そして「反面、弾劾を求める勢力の批判は“生きている抵抗”だ。弾劾が棄却されれば、地方から息子や娘の手を引いてソウルに上京する、今までデモをしたことがないが、今回は行く。戒厳令を敷き、国民に銃口を向け、国民の暮らしを困難にした大統領が再びその座に戻るのであれば、自分が命を懸けるという声がある」と述べ、「彼らにとっては自らの生業がかかった問題であり、自分の子どもたちに自由民主主義のなかで暮らせるようにしたい実存的、現実的な要求だ」と語った。
また、「尹大統領が復帰しても、民衆の抗議で一日、二日と持ちこたえられないだろう」との見通しを示した。
中道派の政党支持率も同様の傾向を示した。自分自身を「中道派」と答えた層では、52.1%が最大野党「共に民主党」を、26.2%が与党「国民の力」を支持していた。前週と比べて、中道派の「共に民主党」支持率は6.2ポイント上昇、「国民の力」支持率は6.8ポイント下落した。
地域別では、「国民の力」の支持率は忠清(チュンチョン)圏で+6.3%p、湖南(ホナム)で+3.1%pと上昇した一方、ソウルで-12.3%p、釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)・慶南(キョンナム)で-4.9%p、大邱(テグ)・慶北(キョンブク)で3.6%p、仁川(インチョン)・京畿(キョンギ)で-3.5%p下落した。
「共に民主党」の支持率は、ソウルが+10.4%p、大邱・慶北が+5.5%p、仁川・京畿が+2.7%p上昇し、光州(クァンジュ)・全羅(チョルラ)では2.9%p下落した。
最近の山火事対応や災害コントロールタワーの不在などに対する否定的な世論が、尹大統領政権延長支持の下落につながったというのがリアルメーターの分析だ。
また、江南(カンナム)3区と龍山(ヨンサン)区の土地取引許可区域の拡大再指定による影響によって、ソウルにおける支持層の離脱が最も顕著に表れたと見られる。慶北地域でも最近の山火事被害によって、嶺南(ヨンナム)圏でも支持層離れの様子が見られている。
なお、憲法裁は来る4月4日午前11時に、大審判廷で尹錫悦大統領の弾劾審判の結果を宣告することを発表している。
(記事提供=時事ジャーナル)
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