韓国最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表が、第21代大統領選挙への出馬を正式に表明した。
李在明前代表は4月10日、自身のYouTubeチャンネルに公開した映像の中で、「12・3非常戒厳」事態を乗り越えた偉大な主権者の声に応えるため出馬するとし、「本物の大韓民国をつくる」と宣言した。
李在明前代表側は、YouTube「イ・ジェミョンTV」を通じて約11分間の映像を公開したが、別途の現場演説や出陣式は行わなかった。
この映像は、大統領選出馬に対する李在明前代表の意志と覚悟をドキュメンタリー形式で収めたもので、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の罷免後、ソウル某所で撮影された。
李在明前代表のインタビューや、尹錫悦前大統領の弾劾を支持する集会の映像なども含まれている。
李在明前代表は「大韓民国の民主主義の偉大さは、憲法制度そのものにあるのではなく、その制度と共に生きる国民自身の偉大さにある」と語り、「深く厳しい冬を、国民が自らの力で打ち破っている。暖かな春の日を、必ず共につくりたい」と述べた。
また、経済成長を繰り返し強調した。社会的葛藤の根本的な原因は経済的格差にあるとし、国家レベルの大規模な投資を通じて「国家レベルの投資で、“モクサニズム(食べて生きる)”を越え、“チャルサニズム(よく生きる)”を実現する」と表明した。
さらに、「いわゆる格差や不平等、貧富の差があまりに大きくなってしまった」とし、「政府の役割が重要であるにもかかわらず、この3年間、政府は経済をほぼ放置してきた」と批判。「政府主導の人材育成、大規模な技術研究開発投資、スタートアップやベンチャー企業への投資によって、経済は再び立ち直ることができる」と述べた。
李在明前代表は、“モクサニズム”と“チャルサニズム”の方法論として、実用主義と迅速性を強調。「“チャルサニズム”とは、より価値志向的で、より精神的な豊かさを追求し、苦痛のない生活を越えて“幸福な人生”を実現しようというものだ」と説明した。
さらに「私が決めた原則がある。多くの公職者は重要で大きなことを考えるあまり、小さく見えることを後回しにしている。だから問題が積み重なる」と述べ、「すべての仕事が重要なのだから、小さくて簡単に見えることほど、できるだけ早く処理すべきだ」と主張した。
李在明前代表は、政治の最優先課題を国民の生命と安全、そして国益に置くべきだと強調した。
「国民の命と安全を守ることこそが、政府、国家の最も重要な役割だ。誰がどれだけ体系的かつ迅速に対応できるかによって、被害は大きく変わってくる」と語った。
また、「韓米同盟は非常に重要であり、韓米日協力関係も大切だ。その中で一貫した原則は、大韓民国の国益が最優先されるべきだということだ。競争すべき分野では競争し、協力すべき分野では協力し、対立が予想される分野ではうまく調整していくべきだ」と述べた。
国際的な競争を「企業競争」に例えながら、「企業と政府の役割分担と協力は非常に重要であり、国家間競争において不可欠な要素だ」とも述べた。
さらに「K-イニシアチブ(K-Initiative)」という国家ビジョンも提示した。“K-カルチャー”や“K-民主主義”を例に挙げ、「ソフトパワーの面で、大韓民国は世界の様々な分野を先導できる国になりうる。そういう国を、ぜひ一度つくってみたい」と語った。
最後に李在明前代表は「多くの人が希望を抱き、幸福な人生を夢見るような社会こそが“春の日”ではないか。本物の大韓民国をつくりたい。ただ名前だけの国ではなく、“本物の大韓民国”を」と述べた。
そして「その大韓民国は、大韓国民がつくりあげるものだ。その大韓国民の優れた道具、最高の道具が李在明でありたい」と締めくくった。
(記事提供=時事ジャーナル)
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