カカオトーク、大規模アプデ「改悪」と不満続出 星1レビュー殺到で“時価総額3700億円”蒸発も

2025年09月29日 経済 #時事ジャーナル
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韓国の「国民メッセンジャー」ことカカオトークが、大規模アップデート以降から激しい批判にさらされている。2010年のリリースから15年目にして行われた大々的な改編によって、ユーザーから不満が続出しているためだ。

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アプリストアでは「1点」レビューが殺到し、改編からわずか4日でカカオの時価総額は3兆5000億ウォン(日本円=約3688億円)まで蒸発。結局、カカオはショートフォーム機能に未成年者保護措置を追加することを皮切りに、最も不満が集中した「友だちタブ」の改善方案を近く発表する立場を示している。

ChatGPTを連動した対話機能など追加アップデートを準備しているカカオが、激しい世論の反発を鎮めることができるか注目される。

9月29日、韓国の情報通信業界によると、Google Playストアにおいてカカオトークの平均評価が現在「2.5点」を記録しているという。前日は「2.8点」だったが、わずか半日で0.3点下落した形だ。

原因は、ユーザーたちがレビューで最低点「1点」を相次いで付けているためだ。App Storeでも同様に、カカオトークの評価が「2.5点」まで下落している。

1点を付けたとあるユーザーは、「他人の写真を大きく見たいわけでもない。入った途端にあらゆる写真が大きく表示されて画面が複雑だ」とし、「今回のアップデートは最悪だ」と書いた。別のユーザーは「ショートフォーム閲覧まで強制する方式は暴力的だ」とし、「星半分も惜しいが、1個からしか付けられないのでやむを得ず1個を付ける」と皮肉った。

今月23日から順次進められたカカオトークのアップデートに対し、ユーザーからの反発が続いている。UX(ユーザーエクスペリエンス)グループPXDがユーザー分析インサイトツール「Affinity Bubble」でカカオトークのレビュー1000件を分析した結果、アップデート全般に満足していないというレビューが42%で最も多かった。

特に、ユーザーインターフェース(UI)とデザインに対する不満が19%、友だちリストとプロフィールに関する不満が10%で、ユーザーの不満が大きかった。

ユーザーが最も拒否感を示している部分は「友だちタブ」だ。従来は友人の名前とプロフィール写真、ステータスメッセージが一覧で表示されたが、アップデート後は友人のプロフィールや背景写真などが変更された順にタイムライン形式で見られるようになった。これはインスタグラムのフィード形式に類似している。

このため、知りたくもない業務関係者のプロフィール変更履歴を先に見ることになり、ユーザーの拒否感が大きくなっている。フィードの途中に投稿と同じ大きさで露出される広告も疲労感をもたらしているという指摘だ。

ショートフォームも議論となっている。オープンチャットで入ることができた3番目のタブは、アップデート後にショートフォーム映像を楽しめる「チグムタブ(今タブ)」に変わっている。3番目のタブを2回押して、ようやくオープンチャットタブに入ることができる。

ここにはショートフォームを活性化させて滞在時間を増やそうとする意図と見られるが、強制的にショートフォームを見せる方式に不満が噴出している。ショートフォームの途中には広告も含まれている。

追加されたショートフォーム機能は、保護者の間でさらに大きな論争を引き起こした。未成年者がショートフォームコンテンツに無制限にさらされ、学業に悪影響を与える可能性があるという指摘が提起されたためだ。結局、カカオは今月27日、告知を通じて「未成年者保護措置」を執れるようにした。法定代理人が顧客センターを通じて本人と子どもの携帯を認証し、家族関係証明書を提出すればショートフォーム機能を制限する措置だ。

ただし保護措置は開始日から1年間適用され、1年ごとに更新しなければならない。

カカオトーク
(写真提供=カカオ)

“一歩引いた”カカオ「改善方案を積極的に議論中」

カカオ内部でも騒動が起きている。会社員匿名コミュニティ「ブラインド」に暴露文が掲載されたためだ。

カカオ社員と推定される投稿者は、今回のアップデートが複数の開発者、企画者、デザイナーの成果ではなく、特定人物の指示によって進められたと暴露し、「同僚たちの自尊心が崩れている」と明らかにした。

アップデートの酷評でカカオの株価も揺れている。韓国取引所によれば、この日のカカオ株は午前11時基準で前取引日より1.52%上昇した6万200ウォン(約6300円)で取引されている。6万ウォン台を回復したが、1週間前の22日と比べると9%以上下落した状態だ。今月23日のアップデート開始後4取引日で10.69%下落し、時価総額は3兆5000億ウォン近く蒸発した。

カカオのチョン・シナ代表は今月23日に行われたカンファレンス「if kakao 25」での基調演説後、カカオトークのアップデートと関連して「一部の機能は見慣れずに感じられることもあり、またある機能は『いい』という評価を受けることもあるだろう」とし、「利用者の行動データを分析し、顧客センターに寄せられた不便事項を積極的に反映しようと努力した」と述べた。そして、「フォント1つ変わっても不便だという意見が出ることはあるが、長期的にはより便利で自由な対話経験を提供することになるだろう」と自信をのぞかせた。

しかし利用者の不満がおさまらないと、カカオは今月28日に「利用者の反応とフィードバックを細かく聞き、改善方案を内部的に積極的に議論中」とし、「友だちタブ改善方案も近く共有する予定」と伝えた。

カカオの対応水準と利用者の反応は、追加で予定されている改編にも影響を及ぼす見通しだ。カカオは来月、カカオトークにChatGPT機能を搭載したサービスを公開する予定だ。会話中に自然にChatGPTに転換し、テキスト・イメージ基盤の回答を受け、生成されたコンテンツをチャットルームに共有できる方式だ。

業界関係者は「多くの人々が注目しているChatGPTサービスを公開するに先立ち、アップデート改善を通じて利用者の不満をどれだけ和らげられるかが、15年ぶりの大改編のカギと見ることができる」と述べた。

(記事提供=時事ジャーナル)

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