この単語は元々、1938年に制作され、1944年には映画化もしたアメリカの演劇作品『ガス燈』に由来したもの。同作では、虐待的な夫がガス燈の火の強さを勝手に変えたり、奇妙な音を立てたりして、異変を感じた妻がそれらを指摘しても「すべて気のせいだ」と言い聞かせ、妻は自分がおかしくなったのかと疑い始めていく様子が描かれている。
その後、2018年頃にイギリスで流行語となり、一般的なワードとして定着した「ガスライティング」だが、韓国では2021年に大ヒットドラマ『サイコだけど大丈夫』の主演女優ソ・イェジが、元恋人で俳優のキム・ジョンヒョンに対してガスライティングをしていたという疑惑が浮上し、テレビなどでも大きく取り上げられるようになった。
主にガスライティングは、恋人や夫婦、家族関で起こるといわれている。頻繁に連絡を取ったり、お互いの携帯を確認し合ったりと、日本と比べて束縛や嫉妬深いカップルが多い韓国において、「自分たちの関係にガスライティングが起こっていないか」と改めて考えるカップルが増えたことで大きなイシューとなった。
今では、若者の間で自身の行動をコントロールしようとするような発言・行動に対して「それはガスライティングじゃない?」「ガスライティングしないでよ」といったスラングのような使われ方もするという。
それだけに今後は、韓国ドラマや映画でも「ガスライティング」を耳にすることが増えるかもしれない。
(文=サーチコリアニュース編集部A)