保障金額が8年2500万ドルに過ぎなかったのだ。日本人エースが受け入れた衝撃の契約だった。
前田の肘の状態に確信を持てなかったドジャースは、安全装置として契約に「開幕ロースターに含めるかどうか」「試合数」「イニング」などさまざまなインセンティブを加えた。
その後、前田は黙々とドジャースで任務を遂行した。4年間で137試合(103試合先発)に登板し、47勝35敗、防御率3.87と自身の役割を遂行した。
しかし、先発登板しても5回以前に降板することが一度や二度ではなく、ときにはブルペン投手として出場することもあった。さまざまな面で、前田は日本時代の名声と比べて冷遇された。
2020シーズンを控えてツインズにトレードされた前田は、メジャー進出以降で最高のスポットライトを浴びた。新型コロナウイルス感染症のため短縮して行われた同年は、11試合で66.2イニングを投げ、6勝1敗、防御率2.70、80奪三振、10四球、WHIP 0.75の特級成績を収めた。ア・リーグのサイ・ヤング賞2位にも上がるなど、華やかな復活を果たし、前田はついに笑顔を見せた。
だが、2021シーズンは21試合で6勝5敗、防御率4.66と、前年より成績が落ちた。そして同年8月22日のニューヨーク・ヤンキース戦で4.1イニング5失点を記録した後、マウンドに上がることができなくなった。結局、9月にトミー・ジョン手術を受け、長いリハビリのトンネルに突入した。30代半ばに入る時点でキャリアの帰路に入ったわけだ。
それでも、前田は意志を固め、復帰を目前としている。2022シーズンを全休した前田は2023シーズン、再びマウンドに上がる予定だ。
2016年に結んだ8年の奴隷契約も今年で終わる。負傷から回復後、復活とともに切歯腐心の覚悟でピッチングに励むだろう。
ジャスティン・バーランダーと前田を直接的に比較することは難しい。しかし、バーランダーは選手生活の黄昏期に肘の手術を受けても再起できるという希望を伝えた。
果たして前田も無事に復活し、かつて味わった安値の奴隷契約の痛みを払拭できるような契約を獲得できるのだろうか。
(記事提供=OSEN)