闘争歌ではなくK-POPを歌い、ろうそく代わりに“応援棒”を持つ…20-30代の参加で韓国のデモに訪れた変化

2024年12月10日 社会 #時事ジャーナル
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政治に無関心だという社会的通念とは異なり、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の退陣を求める韓国の集会現場では、20~30代の若者たちが目立った。

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彼らは国会や汝矣島(ヨイド)などで、ろうそくの代わりにアイドルを応援する際に使う“応援棒”を手に、「ユン・ソンニョル弾劾」を大声で叫んだ。

闘争歌の代わりにK-POPが響き渡るという異様な光景が広がり、集会がまるでお祭りのような様相に変化していた。

闘争歌ではなくK-POPを歌う

市民団体などによると、ユン大統領の弾劾訴追案が票決された12月7日、国会議事堂前には主催者側の推計で100万人(警察推計では14万9000人)以上の市民が集まった。

大学生や若い青年など、20~30代の多くの市民が「ユン・ソンニョル退陣!国民主権の実現!社会大改革!全国民ろうそく大行進」集会に参加した。

12月7日、国会前に集まった市民たち
(写真=時事ジャーナル)12月7日、国会前に集まった市民たち

彼らはユン大統領の弾劾案可決を強く願いつつも、楽しさを失わない姿を見せた。K-POPが流れるたびにコンサートに来たかのように歓声を上げ、「ユン・ソンニョル弾劾」を叫んだ。その様子を見守った市民たちの反応も熱狂的だった。

集会に参加した京畿道・水原(スウォン)在住のイ・サンテさん(60)は「これまでの集会と今回の雰囲気はまったく異なる。以前は40代が若い世代だったが、今回の集会では20~30代の青年たちが各所で多く見られた」と述べた。

続けて「国を心配する若い人たちがたくさん来ていて良かった。また、労働歌などを歌う私たちとは違い、集会を楽しむ姿を見て、新しいデモ文化が生まれているように感じた」と語った。

お祭りのような平和的な集会に、海外メディアも注目した。アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』は「集会は祭りのような雰囲気で始まった」と報じ、イギリスのBBCは「韓国は2年前、梨泰院(イテウォン)圧死事故という致命的な悲劇を経験しただけに、今回の集会では同様の悲劇が起こらないよう誰もが努力していた」と評価した。

効率を重視するMZ世代、デモ文化も変化へ

専門家たちは、世代交代と民主主義の成熟に伴い、集会の様相が変化したと分析する。

12月7日のデモには若い人の姿も多く見られた
(写真=時事ジャーナル)12月7日のデモには若い人の姿も多く見られた

檀国(タングク)大学心理治療学科のイム・ミョンホ教授は「最近の若い世代は賢く、効率性を重視する傾向がある。この特性が最近の集会にも反映されている」とし、「彼らは集会の目的に反しない範囲で、集会を祭りのように楽しんでいる。他者を直接参加させる心理的つながりを形成し、成熟した新たな集会文化が発展する過程にある」と説明した。

また、イム教授は「MZ世代が多く参加したことで、旧世代と新世代が共存する平和的な集会の性格が示された。暗く攻撃的な雰囲気も、若い世代の参加によって明るく自由な雰囲気に変わった」と付け加えた。

一方、ユン大統領の弾劾は実現しなかったものの、弾劾訴追案の再提出が予告されており、集会の熱気はさらに高まると予想される。

全国民主労働組合総連盟を中心とした進歩系団体は、国会前で毎日、「内乱首謀者ユン・ソンニョル即時弾劾市民ろうそく集会」を行う予定だ。市民団体「ろうそく行動」も「ユン・ソンニョル即時弾劾・拘束を求めるろうそく文化祭」を開催する。

保守系団体である自由統一党なども毎日、ユン大統領弾劾反対の集会を計画している。彼らは12月14日まで光化門(クァンファムン)の東和免税店前で「主思派(主体思想派=親北)追放・自由大韓民国守護国民大会」を開催する予定だ。

(記事提供=時事ジャーナル)

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