「緊急、“朴槿恵(元大統領)死亡”というCNNの記事を絶対に開かないでください」というタイトルの警察官を詐称した虚偽メールが韓国で拡散されている。
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12月17日、警察によると、最近このメッセージが広まっている。虚偽メッセージが拡散される背景には、韓国社会の政治的分断やオンライン情報に対する不信感が根強く存在していることが考えられる。
このメッセージには「崔順実(チェ・スンシル)事件と関連し『懸念される大韓民国』というタイトルのEメールが拡散している」「これは北朝鮮で昨日作成された悪性コードが含まれたメールだ」などと書かれている。
さらに「開いた瞬間に携帯電話が北朝鮮のハッカーに掌握されるので、周囲の方々に知らせてほしい」と記され、メッセージの末尾には京畿南部警察庁所属の特定の警察官の名前が記載されていた。
しかし、これは警察が公式に送信したものではなく、警察官を装った偽のメッセージだと確認された。
同様のメッセージが拡散されたことは過去にもあった。
2016年には「“朴槿恵辞任”というCNNの記事を開かないように」という内容のメッセージが拡散し、当時も警察官の氏名が記され、公式メッセージを装ったものだった。
以降も同様のメッセージが拡散されたため、警察は2023年、KT、LG U+、SKTなど通信3社やカカオトークに対し、特定の文字列が組み合わされたメッセージが拡散されない措置を取るよう要請する公文書を送った。
奇妙なのは、過去のメッセージや今回の「朴槿恵死亡」メッセージに、特定のURLなどが含まれていないということだ。
詐欺メールは通常、相手の個人情報を抜き取る“仕掛け”があるものだが、特定のリンクが含まれていないため、現時点で発信者を特定するのは現実的に困難な状況だと伝えられた。
警察もこのメッセージに特定の被害を引き起こす内容が含まれていないため、すぐに発信者を追跡して捜査に着手する計画はないと説明した。
警察関係者は「2016年に初めて拡散した際、特定の警察官の名前を盗用した行為について名誉毀損の疑いで捜査着手を検討したが、メッセージの内容などを総合的に考慮し、捜査しないことを決定した」と述べた。さらに「ただし、このメッセージが社会の混乱を引き起こす恐れがあるため、関係機関と継続して協力し、拡散防止に注力する」と付け加えた。
オンライン上では「人の死を悪用する犯罪は厳しく処罰してほしい」「政治的な意図がありそう」「なぜ文在寅(ムン・ジェイン)ではなく朴槿恵?そこに答えがありそう」といった反応を見せた。
目的は不明だが、韓国社会の不安定さや混乱が浮き彫りとなる事件といえそうだ。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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