とんでもなく大胆な犯行だ。
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外国人の不法就労に対する取り締まりを避けようと、法務部(日本の法務省に相当)の公用車にGPSを取り付けて位置情報を取得していた韓国のマッサージ店経営者に、執行猶予付きの懲役刑が言い渡された。
7月7日、韓国の法曹関係者によると、釜山(プサン)地裁・刑事10単独(ホ・ソンミン判事)は、「位置情報の保護および利用に関する法律」違反の容疑で起訴されたマッサージ店経営者A、Bの公判で、懲役1年2カ月、執行猶予2年を言い渡した。また、120時間の社会奉仕命令とGPS発信機2台の没収も命じた。
AとBは、外国人の不法就労に対する取り締まりを逃れるため、2019年5~6月ごろにGPS発信機を入手し、法務部の釜山出入国・外国人庁の取り締まり車両に取り付けて、位置情報を不正に収集していたとされる。
Bは2019年5月中旬ごろ、釜山・水営(スヨン)区のとある店でGPS発信機を購入し、Aに渡した。その後、Aは釜山出入国・外国人庁の駐車場に潜入し、広域取り締まりチームの車両のスペアタイヤがある鉄板部分に、受け取った発信機をこっそりと取り付けた。
2人はその後、スマートフォンにインストールしたGPS追跡アプリを通じて、2020年2月7日まで取り締まり車両や職員の位置情報を収集。取り締まり対象が、取り締まる側の動線をリアルタイムで把握していたことになる。
これに対し裁判所は、「現場での取り締まりを避けるため、公用車である取り締まり車両に密かにGPS発信機を取り付け、公務員の位置情報を収集した」とし、「その手口と行動は想像を超える大胆さであり、犯行の動機や経緯を見ても悪質性が高い」と断じた。
あわせて、「公務員の取り締まり業務を妨害・撹乱する行為は、国家の法秩序を確立し、公権力軽視の風潮を根絶する観点から、厳正に対処する必要がある」としつつも、量刑には「2人が犯行を認めていること」「2019年末以降は位置情報を確認・使用していないとみられること」などの点を考慮したと付け加えた。
(記事提供=時事ジャーナル)
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